10月からステマ規制が始まりました。広告であるにもかかわらず、広告であることを隠すことを「ステルスマーケティング」(ステマ)と言います。消費者庁 令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。規制の対象となるのは、商品・サービスを供給する事業者(広告主)です。
運営中のWebサイトのアクセスを分析していると今年は特にアクセスが少なくなっています。PC関連の情報を扱っているのですがそれなりにPCは普及していて、Webの主な利用端末がスマホが主体になっていることからニーズが少なくなっていると推測しています。以前はPCメーカーから商品提供があったり、借用したりすることもありましたがメーカー側もステマにならないように配慮して数を減らしているようで機会が減っています。現在もIT系のメディアはメーカーとタイアップしてレビュー掲載をしていますが以前よりも数が減っています。
アクセス数の減少とともに収益低下をしているのでメディアのように広告収入1本で稼いでいると苦しいのではないかと思います。広告はWebコンテンツや閲覧者の属性に応じて動的に選択される仕組みですが、最近は真っ当な広告が付かないのでGoogle広告のような世界最大手が配信している広告にもコンプレックス広告※やサポート詐欺広告※の付け入るスキを与えています。
※コンプレックス広告:身体的特徴をことさらに強調したり、不安にさせたりすることで人のコンプレックスを過剰に煽る広告のこと
※サポート詐欺広告:ニュース等さまざまな偽広告からMicrosoftなどを装うサポート詐欺サイトに誘導する広告のこと。
インターネット広告全体は成長しているのですがそれ以上に大手メディアから小規模メディアや個人運営のサイトまで広くインターネット広告(Google広告やアフィリエイト)が浸透しているので広告が表示される場所や機会はたくさんありますが高い広告費をかけて広告出稿する事業者が減っているのではないかと思います。
新聞社や雑誌社を中心に広告掲載をやめて有料化するインターネットメディアがあります。中途半端に有料と無料が混在していたり、途中まで無料で続きは有料とするなどいくつかの手段がありますが成功しているとは言い切れず、個人運営サイトの有償化には二の足を踏んでいます。
現在は出社再開で可処分時間がコロナ禍以前の水準に戻っています。多くの人は自由に使える時間が少なくなっているので読むのに時間のかかる長文コンテンツを避ける傾向が強まっているように感じます。検索エンジンの評価指標に滞在時間があるのでスクロールすると次々におすすめ関連コンテンツを表示して終わりのないサイトやページを短く区切って「次」へ遷移させるようにしてアクセス数を水増しする構成にしているサイトもあります。
最近の動きとしては人間のアクセスよりも生成AIブームでボットアクセスというプログラムが自動でアクセスしてコンテンツ収集するアクセス数が急増しています。スクロールや次へを押させるサイトはボット対策も兼ねているかもしれません。
人のアクセスが減っているのは自分の運営しているサイトに限ったことではないようで、広告収益の減少をカバーするためにWebマーケティングの書籍を出版したり、有料トレーニングを行ったりするような活動にシフトしている運営者もいるようです。さらには広告に頼らずに自分で物販を始めるような運営者もいますが、投資が必要なのでリスクが高いと思います。
PCのような技術系の記事はどちらかというとニッチです。アクセス数重視だと古くから動物や食べ物といった太いコンテンツがあるのでそこに回帰するのかもしれません。既にアスキー(ASCII.jp)やImpress Watchも扱う領域がかなり広がっています。