アメリカに何年住んでも、慣れないのが散髪。ずっとセンチメートル単位で育ってきたので、アメリカ式にインチで長さをイメージするのと、微妙な好みを英語で伝えるのが難しいのです。
最近は近所にあるアジア系のおばさん達がやってる＄20カットに行っています。アジア人の硬めの黒髪を切るのに慣れているのでスムーズでハサミとバリカン併用で20分くらい。コロナ前、アッパーイーストサイドに住んでいた時は、ヒスパニックのおじさんがやってる＄15カット（バリカンオンリー）に行ってました。ただ、こういうところってスタッフの入れ替わりが激しくて、慣れて好みのカットにしてくれるスタッフが急に辞めてしまったりが多いです。またシャンプーや顔剃り髭剃りはなしで、限られた時間でのカットなので、仕上がりの時はよく見えても伸びてきた時にモサモサになり気持ちが悪い。
半年に1回くらいは自分へのご褒美的に、シャンプー、ヘッドマッサージから、襟足の処理、髭剃りまでしてくれるフルサービスの床屋さんに行きたくなります。以前は、日本に帰省した時に馴染みの床屋さんに行ってましたが、しばらく帰れていないので、この週末に、SOHOにあってずっと気になっていた日系の床屋「The Barber SOHO」に行ってきました。
日本語ウエブサイトもあり、予約から日本語でOK。バーバーさんたちも皆日本人で、頭の上の方は鋤いてくださいとか、もみ上げの部分はどのくらいまで残してくださいとか、やはりとても気楽でした。＄20床屋との最大の違いは、すきばさみを駆使してくれる点。伸びてきた後のもっさり感が出ないように全体の髪のボリュームを梳いてくれました。アメリカではすきばさみを使う床屋は少ないので、髪を切るあのしゃりしゃりザクザクという音を聞いた時は、なんとも言えない望郷の思いすら込み上げてしまいました。仕上がりももちろん満足です。また、日本でも高級ヘアサロンでは、シャンプーとか髭剃りを見習いの人に任せるところもありますが、こちらは全て担当のバーバーさんがやってくれます。フルサービスコースでは肩と首のマッサージもついています。
清潔かつシックな感じで日本の高級バーバーそのもの。シャンプーは当然仰向けにリクライニングするタイプ
ショーウィンドーには甲冑が飾ってあり、和テイストを存分に醸し出している
お客はマンハッタンに住む日本人ばかりなのかと思いきや、この日は私以外は白人の殿方たちでした。私を担当してくれたバーバーさんのお話では、日本人は全体の１割程度であとはアメリカ人とこのあたりのホテルに泊まってるヨーロッパ人旅行者が多いそうです。コロナでマンハッタンがロックダウンした時は休業していたようですが、パンデミックを乗り切ってお客さんが戻りつつあるそうなので、マンハッタンにお住まいの方はぜひ「The Barber SOHO」で日本の高級サロンの散髪を体験してみてはいかがでしょうか。
そして、もう一軒、こちらは日系ではありませんが、心地よい床屋体験ができるのが、旦那Dのお気に入りで「The Art of Shaving」の実店舗にあるBarber Spa on Madison Avenueです。「The Art of Shaving」はシェイビングクリームをブラシで泡を立てて髭を剃る用品一式を販売していますが、お店の奥の間に秘密の小部屋のような小さなサロンがあります。Barber Spa として、そこで髭を整えたり、髪を切ったりしてくれます。髭剃りだけのコースもありチップ込みで＄60ドルくらいしますが、ホットタオルで肌を暖めてから、お湯で泡立てたシェービングクリームでプロに剃ってもらうのは極上体験です。もちろん、散髪込みのフルコースもあります。元々完全予約制でしたが、最近は特に予約が取りにくくなっています。
以前は、マンハッタンに数軒展開していたが、今はマディソンアヴェニュー店を残すのみ。
やや難点を挙げると、１回に一組しか対応できなく予約が取りにくいので、気軽に空いた時間にいけない。そしてバーバーさんが、ガチムチ熊系の人と、もう一人は渋いダディーのふたりのゲイモテ筋イケメンで、逆に落ち着かないです（笑）。結構狭い個室だし、襟剃り髭剃りの時の顔の距離がやけに近い！ （←確か、ゲイポルノにもそこから発展していく床屋ストーリーがあったような、、、。）でも、たまにこのいずれかの二人以外の違う人にあたるとそれはそれでがっかり、、と髪切りリラックス以外のエロ的な期待（妄想）が込み上げるのがこちら。
多分次の髪切りは近くのコリアンおばさんのところでお世話になると思いますが、夏前にはまたマンハッタンで、フルサービス散髪の予定です。The Barber SOHOで日系の高級サロンのおもてなしを取るか、The Art of ShavingのBarber Spa on Madisonでワクワク感をとるか、今から楽しみです。
おまけ。マンハッタンには移動式床屋もあります