ベッセント米財務長官に逆らえない高市政権…圧力に屈して「消費税減税」撤回を探るも防衛費は激増という“経済奴隷”の未来 古賀茂明

消費税減税をやめるように圧力
 苦境に陥った高市首相を待つのは、秋の臨時国会だ。マスコミは、消費税減税が最大の争点になると報じている。野党側もどのように論戦に臨むか作戦を練っているところだ。

 被害を受ける飲食店、農家などに対する慰謝料的支援措置の要求が強まり、その支出が膨らむ可能性が高い。財源を示せと野党は詰め寄るが、その当てはない。1%に引き下げた2年後の8%への引き上げ(戻す)の際の補償措置的給付金については、高市首相自らこれを表明している。これらは全て国債増発要因であり、金利の上昇と円安とインフレを招く。


 年末に向けては、さらに、成長投資や防衛費関連で数多く出ている事項要求(概算要求時点では具体的金額を示さず、要求する項目だけを提示する)による予算の上積みがかなりの額に上ると見られるが、高市政権の目玉政策なので大きく削ることが難しい。どう考えても袋小路である。

 本来は、夏前に減税について議論した超党派の社会保障国民会議で、野党の反対を理由に消費税減税をやめられれば良かったのだが、高市首相の支持率がスキャンダルや皇室典範改正強行などで低下し、公約違反となる減税の撤回はできなくなった。

 しかし、年末に市場の反乱を呼ばない形で予算をまとめるためには、何か秘策がいる。消費税減税は不動の既定方針のように思われているが、実は、まだわからないというのが私の見方だ。

 前述のとおり、ベッセント長官は自ら日本側に「リフレ政策をやめるべきだ」と伝えたことを9月1日の会見で明らかにした。8月31日の概算要求締め切りの時期を過ぎたのに、堂々とそう述べたのだ。

 日本経済新聞によれば、米高官(誰だかは不明)は、「選択肢は2つ。そのまま減税を実行するか、インフレ抑制を選ぶか。私なら後者を優先する」と述べたという。

 つまり、米側がいまだに消費税減税をやめるように日本側に圧力をかけ続けているということだ。もちろん、簡単なことではないが、米国のポチである高市首相は、これを無視するのは難しい。何か道はないのかと思案しているだろう。

 マスコミの言うとおり、減税が国会の中心テーマになったとき、野党は反対したり、財源を示せなどと無理難題を突きつけたりするはずだ。

 マスコミは減税に大反対なので、野党寄りの姿勢を見せるだろう。野党はそれに気を良くして勢いづく。高市首相はなんとしても減税を実行したいのだからその足を引っ張ることで存在感を示せるという計算だ。ただでさえ、中道改革連合の崩壊で希望を失った苦境下で、数少ない得点稼ぎのチャンスだ。