ダイエット法や、栄養の(間違ったものも含め)情報が飛び交っている近年、何を信じたらいいのか迷いますよね?

 

スポーツ栄養でも色んな情報がありすぎて、正しい情報がどんどん打ち消されているような気がします。。。ガーンネットなんかを見ていたら、真実とは全く異なった「競技力向上」法などを好き勝手紹介して商売しているサイトもあるし。。。

 

その中でも、最近特に「んっ?」と思った一部の投稿を見たので、スポーツ栄養士としての責任感からのアップです。

 

キトジェニックダイエットが及ぼすアスリート/競技力への影響:

結論からいうと。。。

未だ、競技力アップに有効というエヴィデンスはありません

 

このキトジェニックのエヴィデンスとしてよく使われる、1983年に出されたPhinneyらによるデータ。ちゃんと文献読んだ人ならわかってくれるのですが、簡単に言うと実験された5人中、内2人は競技力がアップ(ここがよくピックアップされます)、1人は変わらず、あと2人 は競技力が下がったと言うデータ。運動もそんなに強度のものではないと来てる。

 

結論からいうと、「成果なし」ということになります。

その後にも文献が何軒か出ていますが、未だに効果は見られずガーン

 

素晴らしいサイエンス、実験データ/報告が間違って、利益のためだけの広告に使われるのはちょっと違うと思う。

 

アイディアだけが先走り、一番大切なエヴィデンスがないのに大事な選手に薦めるような無責任なことはやめていただきたい。一応、競技力が下がると言うデータはあるので。。。

 

キトジェニックの定義もうやむやなサイトもあるようで。。。チーン

 

主な目的がダイエット(体重減量)ならまだしも、ハイレベルで競技パフォーマンスしなければいけないスポーツ選手にはキトジェニック向いていません。

(ダイエットが目的なら、消費と摂取とカロリー量の計算ちゃんとすればいい話)。

 

我々が学校で習ったように、1Lあたりの酸素から産出される3大栄養素のカロリーは(これは未だ変わらない事実):

  • 炭水化物→5.0 kcals
  • 脂質→4.7 kcals
  • タンパク質→4.5 kcals

と、炭水化物が一番効率の良いエネルギー源。この栄養素をしっかりと必要量(多すぎず、少なすぎず)摂らせるのが我々スポーツ栄養士の焦点じゃないでしょうか?

 

これだけ見ると、「あんま変わらんやん?」とお思いになるかもしれませんが、我々が使う総酸素摂取量を考えると(特に運動中)結構な差になります!

 

体にどれだけ炭水化物を有効に、効率よく使ってもらえるかを考えるのが、サイエンス。脂肪酸燃焼の効率あげても、炭水化物燃焼の効率が下がってしまえば本末転倒。

 

体重下がっても、競技力下がったら意味ないですもんねタラー

現に、キトジェニック(的)な食事生活して、「(燃料切れで)いっつもの練習について行かれへくなった!」と言う選手の話も他の栄養士さんから聞いたことがあります。

 

炭水化物をただ多く食べれば良いっていう事でもありませんパー

多めに摂取した方が良い時期やタイミング、少なめにした方が良い時期やタイミングがあります。その目的に沿った栄養/食事計画をするのが我々スポーツ栄養士ですキラキラ

 

少し熱苦しいトーンにはなりましたが、ちゃんとした情報をととけていただきたい、それだけです。。。

 

チョコレートでも食べて、少し落ち着きます(笑)

では♪完了