雑誌を見ていたら、興味深い記事があった。
沖縄で16世紀から続く金細工師の7代目の方が、
自分の代で廃業を覚悟していたが、
ようやく技術を継承させたいという弟子ができた。
これまでの後継ぎ希望者に託すことができなかった理由は
「上手には出来ても、どうしても個性が出てしまう人が多い。
それでは伝統が変わってしまうから。」
面白かったので息子に伝えると
「オレにも無理だね。だって、オレって個性的な方だよね。」
と、いうので、その理由を尋ねると
「前に工作でゴジラの手作ってきたじゃん。
あれ先生に
『自分の手をカタにして手を作りなさい。』
って言われたじゃんね。
それで、自分の手をみながら作ってたんだけど、
作ってるうちに爪がとがってきて、面白くなって、
ゴジラの手が完成した。
他のみんなは自分の手だった。
先生も、『そうなったの。』って、ちょっと驚いてた。」
とのこと。
「ふーん。そこで自分のこと個性的って気づいたの?」
「うん。」
「言っとくけど、あんた、そんなのは保育園のときからだよ。」
と、言うと、そういえばそうだった。と、
保育園時代の制作の話を思いだして、いろいろ教えてくれた。
ものづくりの時、個性が出てるものがいい場合も、
出てない方がいい場合も、いろいろあるから、
どっちもいいんだよ。と、伝える。
個人的には民藝も好きだし、現代美術も好きだし、いいものはいいんだと思う。
自分で個性的だと気づいた事に笑える。