パズル自由自在 千葉千波の事件日記 (講談社文庫)/高田 崇史
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QEDシリーズの作者の別シリーズ第4弾。


浪人生のぴいくんと、その従弟・千波君。

日常の中で起こるちょっとした事件を、パズルを解くように解いていく。

もちろん実際に論理パズルや、視覚トリックを用いたパズルなんかも出てきますよ。




このシリーズは、肩の力を抜いて軽い気持ちで読めるので

この作者に慣れてない人でも読みやすいと思います。

ま、読者に媚びない姿勢はいつも通りですが・・・


ということで、


「~~ボイルシャルルの法則を知らなくったって、

へこんだピンポン球はお湯に入れて直すことは知ってるし、

なめくじに塩をかけて退治する方法は、ル・シャトリエの法則を

見たことが無くたって出来るのにさ」

「なめくじに塩は、ファントホッフの法則です」


「俺にもっと難しいパズルを与えたまえ」

なんて、何とか鹿之介みたいに月に向かって祈っちゃう~~


佐藤俊夫くんっていう、平凡さの中に甘みと塩辛さを秘めた名前を持つ大学生がいる。




さらに、今回は解説も面白い。

ま、駄々っ子みたいなことを言ってますが、


子供が人生で初めて出会う不条理は、算数の文章題ではないだろうか?

~~~

時速4Kmで歩く奈々ちゃんの10分後にスタートして時速5Kmで追いかけたり

~~~

プールの底の穴から水を出す一方で、蛇口から新たな水を入れたりする。

いったい何をしたいんだ。

奈々ちゃんに追いつきたいなら走ればいいし、~~~、プールはまず穴をふさげ。




プールはまず穴をふさげ。

この言い放つ感じ。たまりません。

まったくもってそのとおり!と拍手を送りたい。


ここまで書いてふと思った。

おいら、ひねくれてるな・・・