脚に力が入らなくなって、重い靴しか履けなくなった長男。調子が悪いときは杖をつく。
自転車にも、車にも乗れなくなった、長男。
そのせいで、普通に就職することすら、出来なくなった長男。
元々、小学生の頃から夢があったようで、そのための努力を積み重ねていた長男が、夢に繋がる第一歩を踏み出すこととなった。
身体が思うように動かないなか、やっと通えるようになった学校も、やはり体調が悪いときは行けなかったらしく留年になってしまうと訊いていたので、どうしても今回の試験をパスしたいと言っていた。
きっと、大学は辞めることになるだろう。
確かに大学は卒業したほうがいいに決まってる。
が、それが難しい息子にとっては、学校を辞める選択をすることがいいのかもしれない。これ以上無理はさせられないのかもしれない。
わたしもいろいろ悩んだ。長男のこれからの人生に於いて、どの選択が最良なんだろうか?
いろいろ考えたが、長男にとっては、在宅で仕事ができるというのは魅力的だ。歩けない今の彼の状況と、やりたい仕事が見事に合致した。
その仕事に繋がる試験をパスし、研修期間を乗り切れば本採用となるらしい。
こないだ、彼はわたしの前で宣言した。
研修期間は、何が何でも喰らい付いて本採用を勝ち取りたいと。
それが叶えば、いままで自分にかかった莫大な費用(浪人や留年や休学などにかかった、わたしが工面した費用のことと思われる)を、少しずつ返すと。
返してもらうつもりはなかったが、それでは本人の気が済まないらしい。
そんなことは全く期待していなかったが、何より、やっと、
長男が報われた