2007に仲間と世界一周をおこなって以来、僕は、いつか世界のどこかで仕事ができようになれればいいなぁ……と考えるようになってきた。日本のラフティングシーズン(夏場)以外の時期にラフティング出来る場所はどこがあるのかと調べてみると南半球の国(オーストラリアやニュージーランド)で川下りが盛んなことがわかった。だけどニュージーランドでラフティングの仕事をするにはNZRAのレスキューライセンスと川のグレード別のテクニカルライセンスを取得しないといけなかった。
2011年11月、僕はライセンスを取得するため(トレーニングをさせてもらえる川を探すため)、ニュージーランドを約1ヶ月間かけてレンタカーで北島と南島をぐるりと1周した。そしてNZで有名なグレードの高い川を5箇所ほど訪ねてまわった。
そして次のシーズンにランギタタというグレード5(川の難しさで最高級)の川でトレーニングさせてもらうことが決まった。
ニュージーランドは景色がよく、水の色がきれいな川が多い。
NZは全体的に自然が豊富で空気が澄んでいてとても素晴らしかった。
将来こんなところで生活できたらいいなぁ……。
「そうだ将来ニュージーランドで起業することにしよう!!」
ふいにそういう気持ちに駆られた。
僕はいつもそう、やりたいことが見つかったらなんでも頑張ればすぐできちゃいそうな気がするのだ!!
そしてどんどん海外起業の夢は膨らんでいった……。
「海外で起業するにはまず苦手な語学力をなんとか克服しないといけないなぁ……。
そう考えると10年くらいかかるつもりで計画を立てないとダメだなぁ……」。
2011年の11月から、僕はNZラフティング免許を取得するため、前回知り合ったガイドのスティーブの下(彼はNZだけじゃなしに日本でもガイドをしており、なにかとお世話になっていた)、2ヶ月間ニュージーランドのランギタタ川でトレーニングを行なった。だけどやはり僕は、言葉の壁という大きな問題にぶち当たってしまった。ニュージーランドは英語圏なので、まずは英語をマスターしないと仕事仲間とコミュニケーションをとることすらも難しいと思いしらされた。
そして僕は、2012年の3月と11月の計二ヶ月間でフィリピンの語学学校に通うことにした(フィリピンは物価が低いので安い授業料で英語のマンツーマン授業が受けられる)。
だけどそれだけでは自分が期待する程の英語力は身につかなかった。
フィリピンから帰ってきてすぐにスティーブに2013年の1月からライセンスの取得のためのトレーニングとテストをお願いしようと思い電話した。
「今年こそはNZライセンスをゲットしたい」。
だけど僕の気持ちとは裏腹にスティーブは言った。「今のいざぽんでは、NZのライセンスを取得するのは難しいよ、NZにはいろんな国のお客さんが来るから英語だけを喋れたらOKって訳でもない。ラフティングに来たお客さん全てとコミュニケーションをとり、安全にグレード5の川をガイドすることができる者にのみライセンスを渡すことができるんだ!! NZライセンスは国家資格だからかなり厳しい。2~3ヶ月いたぐらいじゃダメだよ。
せめて1年くらいは海外に携わっていないとコミュニケーション能力はつかないよ( ・∀・)っ(*>∀<)」。と……。
そして更にスティーブは僕にとって衝撃的なことを言った。
「僕は事情があり、もう日本でもNZでもラフティングガイドはしないんだ。だから君にアセスメントすることもできない……」。
……ガーン!!
うそーん。
僕は寂しい気持ちになった。せっかくスティーブと知り合い仲良くなれたのにもう一緒に川下りができないなんて……。
しかも少々パニくった。
せっかくフィリピンで二回も語学留学してきてNZでのライセンス取得に備えてきたのに……。
今シーズンの僕の冬の予定はどうしたらいいんだ……!?
どうしたらいいかわからず、友だち達にも相談した。
いろいろ考えたあげく、今シーズンはNZでライセンスを取りに行くことは諦めて、将来海外起業をすることを目標に、NZ以外の国でもラフティングができる場所を探す旅をしようと思った。
せっかくコネをつかんでNZでトレーニングができる場所まで見つけたのに、なんだか降り出しに戻った感じで残念に思ったが、NZよりももっといい場所があるかもしれない、ゼロからいろんな国を旅してまわるのも悪くないなぁと思った。
ニュージーランド移住計画は捨てがたいが、海外でラフト会社を経営する夢を捨てたわけではない。
日本でのオフシーズンに仕事ができる場所を探すことが僕の第一目的だった。だけど日本人の海外ラフト経営は今まで聞いたことがないしどうしたらいいのか解らなかった。自分は手探りで探していかないとだめだと思った。