ミュージカル「いつか  one fine day」観劇してまいりました。


私、シアタートラムは初めてなんですが、雰囲気ある素敵な劇場おねがい
こじんまりとした空間でみた物語は心に沁みるものでした。


あらすじ

妻に先立たれた男、昏睡状態の中で心だけ目覚めた女―
二人は胸の内に抱えた悲しみゆえに巡り会い、
互いの心の穴を少しずつ埋め合っていく

保険調査員のテル(藤岡)は後輩・タマキ(内海)の担当だった仕事を引き継ぐよう新任の上司・クサナギ(小林)から命じられる。それは交通事故で植物状態の女性・エミ(皆本)の事故の原因を調べるというもの。しかし、エミの代理人・マドカ(佃井)と友人・トモヒコ(荒田)は調査に非協力的で敵対。仕事が進まないなか、病死した妻・マキ(入来)のことをまだ整理できずにいるテルに声をかけてきたのは、意識がないはずのエミだった。俄かには信じがたいと思いながらも自分にしか見えないエミと交流を重ねるうちに、事故の陰に幼い頃にエミを捨てた消息不明の母親・サオリ(和田)の存在が浮かび上がってくる。

                                     (いつかHPより)



ここからネタバレがあります。ご注意を。






どこにでもいるような普通の人々の物語。

テルは妻を無くしている。
エミは施設育ちで盲目。
タマキはチャラくて今時の若者っぽい。父子家庭で育ち、父を尊敬して同じ職種をえらぶ。
クサナギは仕事人間に見えるが、子供が病気で妻と上手くいっていなく、仕事に熱中することで気持ちを紛らわしている。
マドカはエミと同じ施設育ちでエミの姉のような存在。
トモはストリートミュージシャンでゲイ。
サオリはエミを捨て、海の見える街で美容師をしている。
マキは先の見えない闘病に疲れて死を願っていた。

登場人物はそれぞれ、なにかしらの事情を抱えている。
でも表面的には分からない、もしかしたら私達のすぐそこにいるかもしれない人々。
たまたま巡り合った人達のお話。

テルは植物状態のエミの担当になり、ひょんなことからエミの意識体(幽体離脱?)に遭遇する。彼女は唯一彼女の姿が見えるテルといると自由に動き回ることができるらしい。
意識体のエミは目が見えるらしく、今まで出来なかった事をやりたいのだ、と訴える。
テルはエミと行動を共にすることにより、彼女のこれまでの人生や思いを知る。
エミはなぜ見知らぬ街に1人で出掛けたのか?
事故にあった時、なぜ白杖を持っていなかったのか?
なぜ、事故にあったのか?
その謎が判明し、エミのために行動をおこすテル。
余計なお世話、自己満足なのかも知れない。
けれど、少しでも力になってあげたいって思いには違いない。
親身なテルに、最初は拒絶気味だったマドカとトモも態度を軟化させていた。
いよいよエミの命の蝋燭が燃え尽きようとしている時、このまま「命を終わらせる」ことをテルは提案する。それが彼女の望みであり、叶えてあげたいから。
妻であるマキに寄り添ったつもりでいたが、彼女を理解し、思いを受け止めきれなかったという、テルの後悔があるからだろう。
その提案をマドカは受け入れ、トモは「エミは生きたいと思っているんじゃないか」と拒否する。
延命は家族のため、という言葉を聞いたことがある。どんなに辛くとも、すこしでも長く生きていて欲しい。その思いが本人の希望に沿わなくとも。
本心を知ることなんて稀だと思う。
もしかしたら本人だって、それが本当の願いか分からないかもしれない。
選択するってむずかしい。
なにを選んでも納得いくことってないのかもしれない。
テルはマキの時には希望を叶えてあげることができなかった。
だからエミの願いを叶えてあげたかったのだろう。
それが正解かどうかなんてわからない。
でも悩み考えてとった行動は、後悔することがあるかもしれないが間違いだったとはいえないんじゃないかと思う。

"ほんとうの笑顔のカタチを、私はまだ知らない"
そう添えられた作品。
"ほんとうの笑顔のカタチ"ってなんだろう?
たぶん、いつまで経っても答えは見えない。

パンフレットとカセットテープ
エミが母に宛て作った曲の入った「カセットテープ」ですね。
ちゃんとデジタルダウンロードも出来ますウインク
せっかくカセットというカタチで販売されているのだから、コチラで聴きたい!と、我が家の20世紀の遺物を屋根裏部屋から発掘。
いざ!っと思ったけど、カセットデッキだけが動かなかったチュー
内部でカラカラ音がするから、基板のハンダが取れちゃってるのかなニヤリ
年代ものだからね。残念。

こちらの曲が収録されています。



こちらはパンフレットの最後のページ。

私___の「いつか~やりたいことリスト」

見たい、食べたい、行きたい、話したい、会いたい、許したい、謝りたい、伝えたい。
そして、いつか~したい。

観劇した"私"が、このリストにやりたい事を書き込んで、いつか実現できるように。
大きな夢じゃなくていい、でも叶えたいことを。
私は、なにがあるかな?