以前入院されていた日本人の患者さんのご家族から連絡があり、その患者さんの三回忌の法要に招待していただきました。


患者さんやご家族と親しくなることがあり、お亡くなりになった場合はお葬式に招待していただくことがあります。


今回の法要は患者さんの故郷のお寺からのようでした。


色々と昔のことが思い出されました。


この写真は、奥さんが年越しそばをご馳走してくださった時に、更にメッセージを半紙に書いてくれたもの。職場の机に飾ってあります。



🍀入院初日の時、全く英語がわからない、患者さんのお母さんがベッドサイドでどうしたらいいのかわからない様子だったこと。

🍀床ずれケアのチームがそれを見かねて、私を訪ねてきてくれたこと。

🍀Plant based でwhole food basedのチューブ栄養剤を昔の同僚と一緒に取得したこと。

🍀患者さんが割下からこだわってレシピを考案し、奥さんが自宅で料理して、職場で振舞ってくれた年越しそば。

🍀病室で炊飯器を使って患者さんのレシピ通りシンガポールチキンライスを炊いてくださったこと。

🍀患者さんの傍ら、狭い病室でパソコンから仕事をされていた奥さんの背中。

🍀奥さんとのたくさんのやり取り。

🍀ベッドサイドでの会話。

🍀奥さんのビザ更新の為に、患者さんを勤務先でお預かりして、奥さんが日本に向かうはずが、患者さんの容態が変わって、急遽大学病院へ搬送され、また、帰国もやむなくキャンセルされたこと。

🍀もう体がボロボロと言って、見せてくれた奥さんの腕の蕁麻疹。


走馬灯のようでした。



患者さんは脳腫瘍を患っていた方でした。


お仕事をアメリカでされていた奥さんだったので、患者さんはこちらで発症されたのだと思っていました。


話をして分かった事は、もう日本でできることはなかったので、渡米してアメリカでの医療に希望をかけていたとのことでした。

アメリカに海外赴任することができて、こちらで医療を受けていたそうです。


人工呼吸器のサポートを受けていても、患者さんご自身の意識がしっかりある方だったので、また口から大好きな食べ物が食べられることを望み、ご夫婦ともに懸命に闘病しているいらっしゃる方でした。


以前、最期のことを伺った時、海のそばの静かな所で、最愛の奥さんに見守られて天に召されたということでした。


きっと、寄せては返る波の音とともに、静かに静かに旅立たれて、太平洋の潮の流れにのって、日本に帰ったり、以前のように世界を旅していかれてるのかなぁと想像をしたものでした。




こういう法要やベットサイドでの昔の写真を見ると、目の前にいる、いた患者さんと全く違う人のように感じます。

私が知らないたくさんのストーリーを抱えて来る患者さんとそのご家族。



Zoom法要の画面越しで、久しぶりに頑張り屋の奥さんのお顔を見れて、とてもとても嬉しく思いました。


闘病時は、医療システムやよく分からない様々な事に挑んでらしたので、奥さんのお顔がとんがっていたように私は感じていました。

涙を浮かべられていたけれど、表情が和らいでいる気がしたので、良かったなって感じました。


私は特に何もできないけれど、生きたいと願う病気の方の為の臨床栄養は続けていきたいなって改めて感じた経験でした。



ICUで臨床栄養士であり、子育てを楽にするフードセラピーファシリテーターをしているマイストーリーはこちら#1-5

https://ameblo.jp/nutritionedutainment/entry-12634131427.html