体調不良の「もしかしたら原因第2弾」ということで今回は「カゼイン」です。
身近にある「カゼイン」を含む食品の代表格といえば、
「牛乳」です。
早速、気になる点をわかりやすく解説していきます。
①カゼインの種類
牛乳に含まれているカゼイン(タンパク質)は、
αカゼイン(αs-1、αs-2)
βカゼイン(A1型、A2型)
kカゼイン
があります。
そのうちαカゼインの「αs-1」は、
炎症性サイトカインの分泌を誘発しアレルギー誘発の原因となりやすいものです。
さらにβカゼイン(A1型)は消化の過程でカソモルフィン(モルヒネ用作用)を生じさせ、
牛乳依存を引き起こすことがあります。
最近、βカゼインのうち、「A2型」のみの牛乳が色々と発売されておりますが、
そもそも「乳たんぱくに占めるβカゼインの割合は約27%」あります。
乳たんぱくの内訳
- ホエイ:約20%
- αカゼイン as-1:約36%
- αカゼイン as-2:約9%
- βカゼイン:約27%
- kカゼイン:約8%
つまり、「αカゼインのas-1が占める割合は約36%」はA2ミルクでも変わらないので、
前述の炎症性サイトカインについてA2ミルクを飲むことでクリアになるとは言えません。
ちなみに、お腹のゴロゴロについてはA2ミルクの方が、A1ミルクに比べて抑えられると言われています。
②高温殺菌
紙パックで一般的に販売されている牛乳は130度で2秒とか、超高温の短時間殺菌をしています。
水の沸騰温度よりも高い温度で殺菌するのですから、シンプルに考えて「乳タンパク質が変性」します。
「独特の牛乳くささ」を感じる原因は、高温加熱による「タンパク変性による焦げ臭さ」もあると思います。
③乳糖不耐症
「ラクターゼ」という消化酵素があります。
これは、牛乳の中に含まれる「乳糖(ラクトース)」を分解し、消化吸収するために小腸から分泌されます。
ラクトースは「ブドウ糖」と「ガラクトース」が結合しており、これをバラバラにするのが「ラクターゼ」です。
バラバラにしないと吸収できません。
しかし、多くの日本人は十分な「ラクターゼ」が分泌されないため乳糖がうまく分解ができません。
乳糖のままでは体内に吸収できないため、腸内の濃度が上がり浸透圧の影響で水分が体内から腸内に出てきます。
つまり、消化不良・腹部不快・腹痛・下痢・おならなどの症状がでます。
余談ですが、
「日本人の3人に2人が乳糖不耐症!」という乳業メーカー(引用:野村乳業株式会社 https://www.nomura-milk.co.jp/knowledge/pages/11.php)もあれば、「乳糖不耐は日本人のほとんどではありません!」
という乳業業界団体(引用:J-milk https://www.j-milk.jp/knowledge/food-safety/uwasa16.html)の意見もあるんです。
一体どっちだよと。
乳糖代謝に適応している人種は、北ヨーロッパ系の一部の方々だけです。
世界中の4分の3以上、アフリカやアジア系成人の約90%以上がラクターゼ欠損がある乳糖不耐症と言われています。
(「リッピンコットシリーズ イラストレイテッド生化学」(丸善出版)より)
「乳業」って実はかなり大きな市場です。
いろんな利権・思惑が渦巻いているので、あまたの情報の中から「自分が信じられる」情報を選択されると、
よりみなさんが健康になっていくと思います。
乳業だけに関わらず、大きな業界の場合は「消費者無視の売り手都合」の情報がたくさん流れているので、
気をつけてください。
④脱灰(だっかい)
みなさんの周りにいる「牛乳たくさん飲んでいる人」で、骨折する人いませんでしたか?
私の近くで、過去に何人かいたんです。
毎日2リットルくらい牛乳飲んでいるのに、骨を折っちゃう友達。
みんなめっちゃゴツい体してるんですけど、ちょっと転んだだけで骨折れてしまったりとか。
これ、今考えてみたら骨が弱くなっていた可能性あるなと思います。
牛乳を飲み過ぎると体内が「酸性」に傾きます。
それを中和するために「アルカリ物質」であるカルシウムが骨から溶け出していってしまうため、
結果的に骨が弱くなる。
この仕組みが「脱灰」と呼ばれているものです。
カルシウムが豊富と言われている牛乳。
骨を強くするために飲んでいたのに逆に作用。
牛乳に限らず、カルシウムの摂取はマグネシウムとのバランスを考えた方がより健康的な生活になると思います。
カルシウムは体内で以下のように分布しています。
骨や歯:それ以外の組織=99:1
細胞の外:細胞の内=10000:1
こんなにも偏在しているのがカルシウムです。
骨や歯にはたくさんあるけど、他の組織にはほぼ無い。
細胞の外側にはたくさんあるけど、細胞の内側には全然無い。
そこで、体内のカルシウム分布を適正に保ってくれるのが「マグネシウム」です。
牛乳にはマグネシウムが微量なので、カル・マグのバランスが非常に悪い。
体内のカルシウムバランスが崩れてしまうと以下のような症状を引き起こす可能性があります。
・骨折、骨粗鬆症、腰痛
・便秘、筋肉痙攣、肉離れ、視力低下
・めまい、てんかん、多動症、うつ、不眠症、PMS
・アレルギー、がん、リウマチなど自己免疫疾患
・心筋梗塞、脳卒中、高血圧
・糖尿病、低血糖症、脱毛症
まとめ
もしかしたら自分の体調不良、牛乳のせいかもって思った方。
牛乳やめてみようかな…って時に、代替商品がたくさんあるのでご安心ください!
牛乳の置き換えとして、
・ヤギミルク(ゴートミルク)
・アーモンドミルク
・オーツミルク
などがあります。
スタバでも、アーモンドミルクやオーツミルクへの変更ができますので、いつもはそのまま
「牛乳」でカフェモカとか飲んでいるかたは、変えてみるものありです!
私はいつも「オーツミルク変更のデカフェ」のカフェモカにしてます。
注)そもそも糖質の摂りすぎになるから、飲み過ぎは注意が必要😆
あと、「バター」にはカゼインが含まれていないので、私は「炊き立てご飯にバター醤油」で食べて、
牛さんから頂いた恵みを堪能してます。これは本当美味しい!
健康にいいと思っていた食品を摂っているのに、なんか調子悪い。
そんな時は、その食品のいい面と言われている面、悪いと言われている面の両方から調べてみると、
新しい発見があります!
念の為記載しますが、私は「牛乳」や「酪農家さん」、「乳業メーカー」をディスっているわけではありません。
「分子栄養学や美容食育の観点から見ると、『牛乳』にはこうした側面がある」という事実をお伝えしています。
体調不良でお悩みの方の、ヒントになれれば幸いです。
次回は「食品添加物」です!