ドラマ「JINー仁」について色々な人から良いと聞いていて、気になってはいたものの時が経ち、今更一気に見た。たくさん泣いたし、花魁姿の中谷美紀さんが美しすぎた。現代の医者が江戸時代にタイムスリップしてしまう、というお話で、江戸時代の様々な歴史の動きが描かれている。その中で主人公の仁先生(タイムスリップした医者)が幕府と長州の戦いを見て坂本龍馬に「戦でしか、この国をよくできないんでしょうか。暴力は暴力しか生み出さないんです!」と訴える。その言葉に胸を打たれ、坂本龍馬は大政奉還を企てる。ドラマの中には、同じ国同士で揉めていては他国に攻め入られた時、簡単に負けて植民地になってしまうと考える人が一定数いて、それを唱え続けなんとか国を変えようと行動し続ける者、唱えても届かず無念と自害する者、考えを口にできず上にも逆らえず、ただそれが国のためと自身に言いきかせて命を投げ打って戦に繰り出す者がいた。いつの時代も間違っているように思えることに対して言いたくても言えない、思っていても口には出さないということは特に日本の国民性としても多々あると思う。未だに逆らえない絶対的勢力なるものはあらゆる場面に多かれ少なかれ存在する。ドラマを見ていて出てきた「異議を唱える勇気がない」という言葉から漫画ワンピースで海軍に入った臆病なキャラクターであるコビーを思い出した。「マリンフォード頂上戦争」で海軍の目的はエースを殺すこと、海賊の目的はエースを奪い返すことだったが、結局戦いの末にエースが殺されてしまい両者の目的が失われたにも関わらず戦は終わることなく、海軍は戦意を失った海賊を追い続け、どんどん兵士や海賊が倒れていった。その最中、ルフィの友人でもある海軍コビーが「もう、やめましょうよ!命がもったいない!」と泣き叫ぶ。数秒、時が止まるが海軍大将でエースに手を下したサカズキが「数秒を無駄にした。」とコビーまでを殺そうとする。そこに現れたのは赤髪のシャンクス。彼は「よくやった、若い海兵。お前が命をかけて生み出した“勇気ある数秒“は良くか悪くか、たった今世界の運命を大きく変えた!」と助ける。私は歴史にとんと弱く今までの政策で何が結局いい結果をもたらして、何が悪い結果をもたらしたかよくわからない。だが歴史はこのコビーのように勇気を出して、国や人を想って声を上げ行動した人たちが動かしてきたことだけはわかる。

 

"時が物事を変えるって人は言うけど、実際は自分で変えなくちゃいけないんだ。"

-アンディ・ウォーホル-

 

おかしいと違和感を抱いた時、間違っていると思った時、数秒でも勇気のある行動を起こすことができたら、誰かが救われることもある、かもしれない。