ドローン用電池 適正使用の推進を | ラジコンヘリ千日回峰

ラジコンヘリ千日回峰

2019/7/8 Yahooブログから引っ越してきました。

本日の化学工業日報の記事です。

「昔 電動550ヘリ、墜落 1機全焼の事故があってから電動ヘリもやめてエンジンヘリのみでドローンを1年に1回やる程度でリポとは無縁になりましたが。。。」


ドローン(小型無人飛行機)が注目され始めて久しい。インフラの維持管理や測量用などとして活躍の幅を広げつつあるなか、将来的には物流などでの適用にも期待が寄せられている。しかし最も重要な安全性をないがしろにしているような事例を見聞きする。それはバッテリーの取り扱いについてだ。
 ドローン業界にはラジコンを出発点に"空中ビジネス"に参入した人も少なくない。そんな彼らにとって、最も親しみのあるバッテリーといえば「リポ電池」だ。「リチウムポリマー電池」の略称で、ポリマー電解質を使用した電池だが、リチウムイオン2次電池(LiB)と大差がないことで知られる。ただ電解質に液体を用いるLiBでも、業界ではアルミラミネート型についてはリポ電池と呼んでいることが多いようだ。
 エネルギー密度が高く、小型軽量な電池とあって、リポ電池はドローンでも使用されている。しかしバッテリーに対する知識不足からか、膨らんだままの状態の電池を使用しているケースも目立つ。この電池の膨れは過充電が主な原因。可燃性ガスが蓄積されている恐れがあり、使用し続けた場合は発火につながることがある。しかも充電設定を誤ると、過充電によって発火事故を引き起こす。電池の構造に詳しい人が扱えば問題はないが、不特定多数のスタッフが充電を行う場合などに周知徹底が必要となる。
 「膨れた電池を落として平気な顔をしている関係者も少なくない」と、ある電池メーカーの幹部。「(ユーザーは)過去に事故がなかったから使い続けているのかもしれないが、そんな電池は危なかしくて触ることもできない」と話す。なかにはバッテリーと機体をドッキングさせるアタッチメントもつけず、保護回路のないリポ電池をテープで機体に貼りつけることもあるという。スマートフォンの発火問題を持ち出すまでもない。LiBは取り扱いを間違えば重大な事象を引き起こす。それを忘れてはならない。
 ドローンは新たなビジネスの可能性を秘めている。電気自動車(EV)同様、長時間の稼動が求められるなか、バッテリーは、さらなる高エネルギー密度化が必須となる。電池メーカーは自社の高容量化技術を取り入れるなど、需要家の要求に応じたドローン用LiBを開発している。しかし土台となるのは、あくまでも安全性だ。ドローンメーカーはもちろん、電池や部材のメーカー、販社含め業界全体としてバッテリーの知識を備える必要がある。「ドローンのプロ」が「バッテリーの素人」のままでよいわけはない。