貴方は、Laurie Vechominという女性をご存じか?

1980年夏、Jazz PianistのBill Evansがなくなるまで、最後の18か月間の様子を作品に残している女性である。

彼の最後の作品の一つ、”The Brilliant”  耀けるもの、「何も寄せ付けない崇高なるもの 美しいもの」とでも訳したい。これは、Billが自分の命を振り絞って演奏し遺したたライブ録音であり、遺作でもある。その冒頭の曲名が、Laurieである。

彼の作品を聞き始め、すでに20年以上の時間が経過したが、彼の遺した作品の中でThe Brilliantが最高傑作だと思っている。この作品を彼の人生をまだ知らなかった頃に聞いて、大きい衝撃を受けた。サンフランシスコのKeystone clubにて演奏され、アルバム化されたものであるが、唯一Billの息吹、命を今でも感じることが出来る作品なのである。

 

その頃から、Billが愛し、愛されたLaurieという女性に興味を持った。彼はどんな思いで、何をLaurieに語ってきたのか?、その彼女はまだ存命なのか? 一番の関心事であったのだが、最近本人が書き下ろした作品を見つけた。The Big Love: Life and Death with Bill Evansが出された(この大きな愛:ビルエバンズと生と死を共有した人生のとき、とでもいうのかな?)。翻訳もあるが、僕は彼女の心の声を聴きたいと思ったので、英文のペーパーブックを注文した。そこには、彼女しか知りえないBillとの安らかな人生のひと時が、思い出とともに描かれているんだろうと思う。彼女が書いているHPには、このように記載があった。...I was Bills life partner from 1979 to his ascention in 1980. In 2010 I wrote the book "The Big Love: Life and Death with Bill Evans" as a way of preserving our memories of profound of time together. 人の死を、died、とか、passed awayとか言わず、ascentionと言っている。この表現に、一発で痺れました。この人の人格を表すような表現ができる女性なのだ。来週手元に入るが、読み始めてみた感想は、またそれ以後にブログにアップしたい。