脂肪組織内の中性脂肪の量が変わらないのは代謝が行われていないからと思われていました。しかし、実は合成される脂肪量と同じ量の脂肪が分解されているためで、非常に代謝の盛んな臓器だということです。 中性脂肪は分解するとグリセロールと脂肪酸に分かれます。 中性脂肪が分解して生成されたグリセロールと脂肪酸は、そのままでは反応しないので中性脂肪に再合成されません。 グリセロールリン酸(リン酸のついたグリセロール)とアシルCoA(CoAがついた脂肪酸)が反応して中性脂肪が合成されます。 脂肪細胞の中には、中性脂肪が分解されてできた脂肪酸が脂肪合成に再利用できるようにCoAをつけることができます。もちろん、グルコースが供給されれば、グルコースからもCoAつきの脂肪酸を供給することができます。 脂肪細胞には、中性脂肪が分解されてできたグリセロールが脂肪合成に再利用できるようにリン酸をつけることができません。グリセロールリン酸はグルコースからしか供給できません。 糖尿病は細胞にグルコース取り込みを促進するインスリンが不足する病気です。細胞に入れないグルコースが血液中に余ってしまい血糖が上がります。 細胞にグルコースが入らないと、中性脂肪を合成するためのグリセロールリン酸とアシルCoAの供給が止まり、脂肪分解が進みます。 脂肪分解により生成された脂肪酸に、アシルCoAがつけば脂肪合成できます。しかし、相方のグリセロールリン酸がいないので、脂肪合成には使われません。 グルコース1分子は細胞内でグリセロールリン酸2分子になります。したがって、グルコース1分子が細胞内に入らないと、グリセロールリン酸2分子が不足することになり、これにより、結合する相方を失った脂肪酸6分子があふれてしまいます。つまり、血液中に脂肪酸が増えて代謝性アシドーシスになります。 もちろん、グルコースが入らないので、脂肪酸がβ酸化によりアセチルCoAになってクエン酸回路でエネルギー生成に使われるのですが、あまりに多くのアセチルCoAができるので、余ってしまいます。脂肪酸がステアリン酸(9個のアセチルCoAになる)の場合、6分子のステアリン酸から54個のアセチルCoAができます。使いきれない脂肪酸は血液中に出ていきます。 血液中に増加した脂肪酸は肝臓にいきますが、肝臓でも使いきれません。一部、脂肪合成に利用されますが、かなりの脂肪酸はアセチルCoAとなり、さらにケトン体になります。ケトン体はアセトン、アセト酢酸、βヒドロキシ酪酸を総称したもので、筋肉などの肝臓組以外の組織に入り、アセチルCoAとなって、クエン酸回路で燃料として利用されます。ケトン体はグルコースが入らなくなった組織にとっては重要なエネルギー源となります。 栄養失調(飢餓状態)もある意味、十分なグルコースが細胞に供給されない状態であり、インスリン不足状態と同じなので脂肪組織の分解が盛んになり、脂肪酸が増え、ケトン体が生成されます。 #看護学生 #看護学生の勉強垢 #看護師 #看護学生勉強垢 #看護学生さんと繋がりたい #看護師の勉強垢 #看護師国家試験 #看護師国家試験対策 #当店オリジナル #お問い合わせ #中性脂肪 #相互フォロー #相互フォロー希望 #ブログ

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