では、これらを総合して免疫反応の概要の流れを追ってみていくことにしましょう。免疫反応の流れは、縦の命令系統がはっきりしているので、よく軍隊にたとえられます。 生体表面のバリアを打破して侵入してきた異物に攻撃を仕掛けるのは、好中球とマクロファージです。軍でいえば歩兵隊にあたります。 好中球は異物を食べて限界に達すると自滅していきます。好中球だけで敵に太刀打ちできないと、次にマクロファージが前線に出てきます。実は、マクロファージの食作用は好中球よりも劣っています。しかし、マクロファージは好中球にはない重要な役割をもっているのです。 マクロファージは敵をその触手でとらえ食べて細かくした後、その細胞表面に更なる応援を頼む旗を立てます。これが抗原提示です。さらなる免疫機能がはたらくためには、この旗がとても重要なのです。 マクロファージが立てた旗を見て、次に免疫細胞のエリート軍団であるT細胞が応援に駆けつけます。最初に応援に駆けつけるのはヘルパーT細胞で、ヘルパーT細胞はそのマクロファージと結合し、ある作戦指令書(サイトカインと総称される情報伝達蛋白質)を他のT細胞やB細胞、マクロファージに伝達します。 マクロファージが応援の旗を立てない限り、T細胞は動けないし、ヘルパーT細胞の指令がないと、さらに強力な応援団であるキラーT細胞も動けません。ヘルパーT細胞は、攻撃の作戦参謀ともいえるでしょう。 さて、ヘルパーT細胞の作戦指令(伝達物質)を受けてはじめて、免疫防衛軍の中で最強軍団のキラーT細胞が動き出します。それに加えて、その他多くのマクロファージも次々に戦場に集まってきます。 キラーT細胞が敵を攻撃すると同時に、ヘルパーT細胞の指令を受けたB細胞のうち、敵に対して最も効果的な武器を生産するB細胞(=抗体をもつB細胞)が選出されます。作戦指令を受けたB細胞は「抗体」という武器を生産すると同時に分裂を始め、武器(抗体)を大量に生産できる形質細胞に分化し、どんどん抗体を生産していきます。 しかし、実際にはこの抗体という武器だけでは敵を死滅させることはできません。B細胞がつくるミサイルには起爆剤がないので命中しても死にません。そして、その起爆剤にあたるのが、「補体」と呼ばれる蛋白質です。 補体は、抗体というミサイルに爆薬を仕掛け、導火線のようにさまざまな反応を繰り返し、最終的に敵の細胞膜に穴をあけ、死滅させるはたらきをもっています。ほかにも、反応途中でほかの白血球を呼び寄せたり、マクロファージが食べやすいように自ら「取っ手」役になったりと、重要な脇役を演じています。 このような一連の動きにはすべて、免疫防衛軍の間で交わされるさまざまな作戦指令(情報伝達物質)が仲介しています。免疫反応が軍の動きにたとえられるのは、この指令系統によるものです。 さて、戦いには、引き際の決断も重要です。その引き際を決断する冷静な免疫細胞がレギュラトリーT細胞です。この細胞は自分は前線から身を引き、免疫防衛軍の攻撃のしすぎ(抗体の生産状況)を常に監視し、防衛軍全体の動きを抑制するはたらきをしています。 仮に、このレギュラトリーT細胞が抑制しないと、いわゆるアレルギー反応を起こしてしまったり、自分の陣地(正常な細胞)まで破壊してしまうということにもなりかねません。戦いの終焉を見極め、兵を撤退させる決断を下すのは、実際の戦場と同様に、とても重要な役割といえるでしょう。 #看護学生さんと繋がりたい #当店オリジナル #免疫グロブリン #免疫 #看護学生 #看護学生の勉強垢 #看護学生ママ #看護師国家試験 #看護師国家試験108回 #看護師国家試験対策 #国試対策 #看護師 #看護師あるある #販売中 #お問い合わせはdm

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