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2008/9/15  017号 輝け034 Crews!!
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☆ナースの明日を輝かす★週刊 Nurse Ship
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暦ではもう秋ですが、東京はまだまだ暑い日が続いています。
みなさま、いかがお過ごしですか?

私は今年、「院内研究に取り組んでいらっしゃるナースの方々に、研究のアドバイスをさせていただく」という機会をいくつかいただいています。今日はその中でのエピソードをご紹介します。


■□■□■□ INDEX ■□■□■□■□■□

1.研究デザインを考えよう
2.コントロール群のない研究はダメ?
3.研究を計画するにあたって・・・
4.研究の切り口
5.あとがき

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1.研究デザインを考えよう!
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院内研究に取り組んでいるAさんのお話です。

Aさんは、「患者さんにアロマを使うことで、せん妄の予防につなげたい」というテーマを考えました。
それは、例えば不穏状態になりそうな患者さんに薬物療法をすぐに選択するのではなく、看護師の看護としてできる、もっと他のことがあるのではないか、という想いでした。

そこで、その"他のこと"として"アロマ"を取り上げ、その効果を示すことで病棟ナースたちにも、薬物療法以外の方法があることを知って欲しい、という願いがありました。

就寝前に、アロマによる足浴をする群とそもそも足浴をしない群で、何らかの効果の違いを出してはどうだろう?というのが彼女からの最初の提案でした。

みなさまならこの研究デザイン、どう思われますか?


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2.コントロール群のない研究はダメ?!
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前回の私担当のNurseshipでは、研究をするうえでの「コントロール群」について少し触れさせていただきました。
http://groups.yahoo.co.jp/group/nurseship/message/14

さて、このテーマの場合にはどうでしょう?

私はここで、Aさんにひとつの疑問を投げかけました。

> 本当にアロマの効果を知りたいのであれば、アロマによる足浴をする群と足浴を実施しない群での比較ではなく、アロマによる足浴をする群とアロマなしの足浴の群での比較では?
> そして、その場合、アロマの効果としてアロマなしの足浴と比べて「これに効き目がある!!」って自信をもっていえる何かしらの効果が期待できるものにどんなものがありそうですか?


Aさんは少し考えていましたが、そういう効果の検討をしたいわけではない、と。そこで、私は別の提案をしました。

> では、無理やりコントロール群を設けようとしなくても、単純に、アロマを使った足浴をすると、その後どのような変化があるのか(もしくは、ないのか)という前後比較なら、興味をもてそうですか?

Aさんは、「病棟の特徴を活かして、それなら○○の効果をみれるかも!△△についてはどうだったか、患者さんに聞いてみたい!」とさまざまなアイディアを提案してくれました。

いかがでしょうか?

コントロール群を設けるというのは、何をコントロールにするのか?というのをよく考える必要があります。

なんでもかんでも比較試験がいいとは限らない!ということを、ぜひ頭の片隅に入れておいてくださいね!



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3.研究を計画するにあたって・・・
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その後、実はAさんは研究へのモチベーションが下がってしまい、うまく研究が進んでいませんでした。理由を聞いてみました。

> 「ある患者さんに、同意が得られたので、まずはふだんのケアで取り入れてみよう!と、アロマ入りの足浴をやらせていただいたんです。でも、私がイメージしていたような効果があまり得られなくって・・・」
> 「アロマがせん妄予防に効果があるかもしれない患者さんは、かなり限定されると思うんです・・・」

いろいろと教えてくださいました。
そして、アロマについても本当によく勉強されていることもわかりました。

このときAさんが気づいたことは、実は研究を計画していくうえでいちばん大切なことでした。
それは『期待される効果の指標を何にするのか』であり、『効果を期待できる研究の対象者は誰なのか』ということなのです。


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4.研究の切り口
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Aさんはもう今年度は研究をあきらめようか・・・とも思ったけれど、「看護師の看護してもっとできることがあるのではないか」という想いは変わらない、と。

最初Aさんは、病棟に入院してくる患者さんがせん妄になったり不安定になってしまうようなことが少しでも減れば、そのために看護師としてできる看護がもっとあるのでは、その方法のひとつとしてアロマを考えました。

そこで別の視点から、では、Aさんが考える看護の方法は患者さんやご家族にとってニーズがあるのかどうか、アンケートをしてみては?という提案をしてみました。

> つまり、これまではAさん自身が何か(ここではアロマ)の効果を検証することで、病棟のナースたちにも「看護のあり方を考えるきっかけになって欲しい」という発想でしたが、反対に「患者さんからこういうニーズがあるんだから、病棟でももっと考えていこうよ!」というきっかけづくりにしていってはどうか?ということです。

このようにディスカッションしながら、Aさんの「研究デザイン」を今も一緒に考えています。


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5.あとがき
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今回号もギュギュッと詰め込んだNurseshipをお届けいたしましたが、いかがでしたでしょう。
最近よくみかける看護系雑誌では、量的研究についていえば、とにかく「数が少ないのはダメ!」「コントロール群を設けなくては!」という文章が目に付きます。
今回は研究で必要な対象者の数については触れませんでしたが、どれくらいの人数が必要なのか?コントロール群を設けなくてはいけないのか?は、研究の目的によって変わります。

そしてもうひとつ大事なのは、先行研究でどこまで明らかになっているのか?ということです。

このAさんのようにいきなり「かっこよさそうな研究デザイン」をいくら計画したとしても、その前段階がきちんとわかっていなければ、いい研究を計画することはできません。
その前段階の研究は、必ずしも大規模な研究ばかりとは限りませんし、規模の小さな研究も現場からのケースレポートも、全てひとつのエビデンスを構築していくために必要な研究です。

アドバイザーの仕事を通して、看護の研究基盤をどのように整えていく必要があるのか、私も日々勉強です!!!



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