で、巻につけた付箋をご紹介しましたが、以下続編。
『銀匙』こと『銀の匙 Silver Spoon』(荒川弘/小学館)は農学と馬術がモチーフの物語で、はしばしにまでおもしろいエピソードがつまっているけど、付箋をつけるとなると馬術のシーン限定、それは馬も犬も長い年月を人とともに暮らしそれぞれのやり方で人との間に濃密なコミュニケーションが作れる生き物で、あ、犬も同じだ!と思う描写があるからです。
こちら巻につけた付箋は、主人公がはじめて障害を翔んだ直後の顧問の先生のセリフ。
「馬術は一見、人が馬を意のままに操っていると思われがちですが、実は馬の能力に頼るところが大きいのです。」
先輩部員が、答えて言う。
「7割は馬がフォローしてくれるって言う人もいますね」
すると先生が
「乗り手をフォローしてゴールまで導いてくれるのですから、まず我々に必要なのは、馬に気持ち良く走ってもらおう、という想いと信頼です」
これは障害馬術つまり馬のアジリティーの話で、犬のアジリティーのハンドラーさんがどう感じるのかは聞いてみたい。
わたしたちの救助犬の捜索作業とは微妙に噛み合わない表現だけど、根底には通じるものがあると思う。
もしわたしたち救助犬育成者がこのやりとりを言い換えるとしたら
「捜索作業は一見、人が犬を意のままに操っていると思われがちですが、実は犬の判断に任せるところが大きいのです」
「7割は犬の仕事って言う人もいますね」
「犬が気持ち良く鼻を使ってこその嗅覚作業ですから、まず我々に必要なのは、犬に自信を持って作業させてやろう、そして本当に必要な時にバックアップしてやろう、という想いと信頼です。」
・・・かな?
つまり、主役はどちらなのか、ってことなんだろう。
馬術では馬が主役。
ふむふむ。
捜索作業は犬が主役。
犬が鼻を使わなければ、嗅覚作業は成り立たず、使え!と強制することはできないから、自ら使うのでなければ救助犬の捜索作業は成立しない。
そもそもが犬ありき。
そして犬の意欲ありき。
意欲それじたい人が関わり育ててやるもの、それを高度な作業に作ってゆくには、できうる限り深く大きく育ててやる必要がある。
作業への歓び、達成感、自信を培ってやる必要がある。
だけど、犬の力だけでは、出し切っても7割の作業。
よい捜索作業には、人の果たす3割が絶対に必要だ。捜索は、人と犬との共同作業なんだから。
・・・とまあ、だいたいこんなふうに考えながら読み込んでいるので。まだあるよ付箋。教科書かよ。
・小学館『銀の匙 Silver Spoon』公式サイト→こちら
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