コードブルー | nurseredcatのブログ

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今週は毎日2-3人のコードブルーがあり、精神的に疲れました。看護師を20年以上やっていても未だにコードブルーで患者さんが亡くなる度にショックを受けます。よく、人の死には慣れないと看護師をずっとやっていられないという人がいますが、私は反対だと思います。私たちは人の死にしょっちゅう出会いますが、その患者さんにとってはたった一回の死。だから一つ一つの死に敬意を払い、決して慣れてはいけないと思います。

 

病院でのコードブルーの役割

ERかICUのドクター: 呼吸器を入れる

ICUのドクター: コードーリーダー

ICUのナース(2人):記録、コードリーダー、薬の投与、除細動器の作用(他にできる人がいればお願いする)

呼吸器専門技師(2人): 呼吸器を入れる手伝い、メンテ

患者さんのナース: 患者さんの情報をみんなにレポート

その他の看護助手など3-4人: CPRを2分おきに交代

その他のナース:タイム係、除細動器の作用

シフトアドミニストレーター(そのシフトのすべての病棟を管理しているナース):家族への対処

点滴専門ナース、心電図技師、などなど。

 

コードにドクターがすぐに来ない場合はICUのナースがコードリーダーになります。1年ほど前、コードRRTで心臓外科の病棟に行ったことがありました。私が行ったときには患者さんは真っ青な顔をして呼吸困難を訴えて椅子に座っていました。その患者さんは前日に経カテーテル大動脈弁植え込み術(TAVR)を行い退院する準備をしている最中だったそうで、もう点滴も心電図器具もすべて外されており、普段着をきていました。いそいでベッドに戻した途端意識不明、心肺停止。コードブルーが始まりました。ドクターもいないので私がドクターがくるまで指揮をとることになりましたが、何もない状態だったので内心はもう不安でパニック状態。でも私がパニックすると全体がパニックしてしまうのでがんばってそれを隠して指示をだしました。結局その患者さんは亡くなってしまい、私もしばらく精神的に引きずりました。

 

コード中もいいICUドクターだと落ち着いていて指示もはっきりしていてやりやすいですが、パニック状態になるドクターリードだとカオス状態になるので大変です。以前はそういう状況を家族には見せないようにしていました。コードブルーが始まったら家族を待合室に追い出していましたが、今では反対に家族に見せるようにしています。コードブルーがはじまったら家族を部屋からだしてドアの付近で中の状況を見せます。見せることによって家族はできることはすべてやって患者さんが亡くなったんだと思うことができ、死を受け入れやすくなるからです。今までもう死は免れない老いた親を何をしても生かせてと言っていた家族も実際にCPRをやっているのを目にすると、もうやめて楽にしてあげてくれと言うケースも多いです。私も初めてCPRをして手の下で肋骨がボキボキ折れるのを感じたときはびっくりしました。反対にコードブルーで生還した患者さんが胸の痛みを訴えると”CPRした人がいい仕事したからあなたは生きてるのよ。その痛みはいい痛みだよ。”と教えます。

 

コードブルーで患者さんが亡くなるとコードに参加していた人全員で患者さんに敬意をしめす言葉をかけ、黙とうをします。そのあとドアの外にでて結果報告を話し合います。どういうところがよかったか、どういうところを改善するべきか。そうすることによってコードに参加した人たちも気持ちの整理ができるからです。今週亡くなった患者さんのみなさん、安らかにお眠りください。