4月14日に熊本地震が発生し、その後も続く一連の地震によって、
犠牲になられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、
被災された全ての方に心からのお見舞いを申し上げます。
一日も早い復旧を果たされることをお祈りすると同時に、
被災された皆様が平穏な日々を取り戻せるようお祈り申し上げます。
5年前の東日本大震災での経験を乗り越え、
医療も行政も、一歩前に進んで、防ぎえる災害死を限りなくゼロへ、
多くの人たちが関わっています。
SNSの普及は、よくも悪くも多方面に影響を及ぼし、
FBでも熊本地震関連のグループがいくつか立ち上げられ、
これもよくも悪くも活発な意見交換がされています。
医療の現場の話は、落ち着いたときにしたほうが良いと思うので、またの機会として、
災害時における情報のやり取りについて、個人的見解を一言。
東日本での経験を踏まえて、電話連絡を控えて、
データ通信、メールだとか、ツイッターやフェイスブックなどのSNSであるとか、
音声以外の連絡方法を用いて安否確認を取られたり、
物資の情報や、ガソリンスタンド、移動入浴車の開設場所だったり、
給水車のスケジュールだったり、交通情報、などなど、
もちろんラジオやテレビだけでは得られない、
地域性に属した情報を得やすくなりました。
いままでは口伝えやウワサでしか伝聞されなかった情報が、
自分から発信することができ、
また知らない人たちが見聞きした情報を、動かずにその場で得ることができる。
この情報があるから、きめ細やかな対応ができることもあるでしょう。
その反面、その情報源はどこまで確かで、信頼性があるのか、
誰が発信してるのか、何が根拠なのか、
災害時において、パニックに陥っていると正しい判断ができなくなります。
情報の海に溺れて、どの情報が本当に必要な情報で、
どれがいまは不要な情報なのか、
判断ができなくなる。
判断ができず、先がみえないから、さらに恐怖に陥ることもありえます。
携帯電話は便利ですが、いまの熊本の状態だと、
震度6以上の地震が、14日に2回、15日に1回、16日に4回。
そのたびごとに、避難所にいる数百人の携帯電話の緊急地震警報が鳴り響くのです。
怖くなって、身をすくめて、地震が止むのを待って、
知らないと怖いから、ネットをチェックする。
そうすると、たった数分の間に、数百を超えるツイッターが更新されていて、
自分が見たかった情報にたどり着く前に、
そのツイッターたちを見て、どんどん怖くなっていく。
そうですよね、そういうときのつぶやきとか言いたいことって、
いまの心情そのままであることが多いので、
怖さとか、つらさとか、そういう感情である場合が多いと思います。
それは人間ですから当たり前のことです。
そしてそれを見た人は、受け取ってしまって、
つらさを共感してしまい、その情報を自分の体験として受け止めて、
さらに怖さの深みにはまってしまいます。
心と体はつながっています。
地震を耐えて、体も十分休まらないときに、
情報の海に溺れてしまうと、さらに心身ともに疲弊してしまいます。
時には、携帯をオフにして、
その恐怖の感情は正しい反応です。
でも心を情報から、一瞬でも切り離して、心を休めてほしいと思います。
いま、あなたにできることはあなたは精一杯されていると思いますから、
それ以上自分を心配させないで上げてほしいと思います。
知らないことで生まれる恐怖と
知ることで増える恐怖。
どちらも怖いことです。
実際にどちからはわかりません。
でも、24時間携帯を手放せない、という状態であるならば、
もしかして知りすぎて、情報が多すぎて、
心が疲れているサインかもしれません。
携帯でつながっている遠くの知人も大切ですが、
周りで共に今の苦難を支え合っている人たちと、
顔の見える会話をしてみることも
ひとつかもしれません。
普段の生活ではないからこそ、普段と違うストレスに晒されています。
がんばりすぎる必要はないのです。
助けを求めてもいいのです。
ストレスの耐性は人それぞれですから、
みんなが我慢してるのに、私だけ、とか言わなくてもいいのです。
そう思っている人が、他にもいるかもしれません。
だから、隣の人と、会話をして
想いを吐露することで、気持ちが落ち着くこともあるでしょう。
私の友人のように、
「1日何十回と地震くるから、もう慣れたよ。全然平気」
と普段通りに生活できる人が
多くないのは当たり前です。
女性だから、高齢者だから、こどもだから、
肩身の狭い思いをされてるかたもいらっしゃるでしょう。
同じ思いをされている方がいます。
そして近くにいらっしゃいます。
同じ思いをされているかたが集まれば、
新しいアイデアや対応ができることもあります。
その場でなら、たくさんの情報がうまくまとまって、いい方向へ導けるかもしれません。
ひとりで悩まないでいてほしいと思います。
心を蝕んでいくのは、ひとりで悩み抜くことだと思います。
どうか言葉に出して、心を休めて下さいね。