今回は術後の見え方について書いておきます。
前回の記事はこちら↓
白内障手術。
私の場合は、12月23日に右眼
翌12月24日に左眼
という順番でオペを受けて3泊4日入院しました。
基本的には日帰りでも受けられる手術。
実際たくさんの人が日帰りで受けておられましたが
術後3日間は必ず診察を受ける必要があるため
視力的に1人で移動出来ない私は入院必須でした。
こちらの病院で両眼同時に手術すると入院日数は1日少なくなり2泊3日で退院出来ます。
どちらでも良いですよと提案されましたが、両眼同時に手術となると
術後、両眼を眼帯で覆われてしまいます。
何も見えないまま翌朝まで過ごさねばならないとなると
それはかなり不便になるため避けました。
そんな感じで23日に右眼終了後、翌日の朝までは左眼だけの入院生活。
病室内も手を伸ばして恐る恐る移動です。
お楽しみの食事も、食器の位置はだいたい見えるけれど中に何が入っているのか全くわからない状態で
食事を運んで来てくださったエイドさんがトレーの中の配置とメニューの説明をしてくださって本当に助かりました。
両眼とも矯正視力は0.01でしたが、それが片目を塞いでしまうと
途端に見えない不自由さを実感することになりました。
元々、網膜色素変性症があり白内障のオペをしても見え方が回復するのは一時的なこと。
いずれまた視力は低下していく一方ですが
この時
近い将来、私の見え方はこんなふうになるんだなとしみじみと実感し、これからのことを考えました。
ネガティブに考える必要はなく
『何をすれば』見えなくなっても自分なりの家事がこなせるのか
ということを。
そんなことをゆっくり考えながら眼帯が外れる翌朝が楽しみで
色々なことが頭の中をぐるぐる。
この晩はあまり眠れませんでした😅(心配していた痛みは殆どありませんでした)
24日の朝
検温の時にラウンドしてきた看護師さんに眼帯を外してもらい
術後明るくなった右眼と、術前の左眼、両眼を開けてみると
驚くほど視界が明るくてよく見える!!!
わーーーこんなに見えるんだーー🫢❗️❗️と感動。
朝の診察で視力検査をしたら矯正視力が0.04まで回復していました。
矯正視力0.04というと、なんだそんなものか
と思われるかもしれませんが、
一度でも0.01の世界を経験すると、これは劇的に見えるという感覚なのです。
この一年、手探りで家事をしてきましたがこれは以前のようにスピードをあげられるかもしれません。
そして
右眼術後の点眼薬が始まりました。
この時点で
左眼には術前の点眼薬2種類を
右眼に術後の点眼薬3種類を使います。
ちょっと頭が混乱しました。
点眼薬ひとつにしても、高齢になればなるだけ自分で管理することが難しくなるのだろうなとも感じました。
その日の午前中に左眼のオペも終わりました。
左眼の方が、やや痛みがあり、右眼オペより時間もかかりましたが
これも我慢出来る程度で、術後痛み止めは使わずに済みました。
部屋に戻って前日と同じように片眼を金属製の眼帯で覆われていましたが
術後の右眼が明るくてよく見えるため
前日のような不自由さは感じず、食器の中に何があるのか
メニューの文字も見えるようになり
説明も必要なくなりました。
そうそう余談になりますが
病棟内に自販機はあり飲み物は買えますが、私はこの時、見えにくさで病室から出るのが怖かったので
お水やコーヒーなどのお買い物をエイドさんにお願いしました。
こちらの病院は院内に売店がないためエイドさんがお買い物を代行してくださるんです。
こちらからお願いしなくても
毎日、時間になると病室にお買い物はありませんか?と聞きに来てくださったのでとても助かりました。
わざわざお願いするのは申し訳なくて、自分で自販機まで行ってみようかなと悩んでいたタイミングで聞きに来てくださったことは
本当に有り難かったです。
痒いところに手が届く病院のホスピタリティが素晴らし過ぎて感動しました。
クリスマスイブに
再び見える眼を与えられた私。
その晩は過去経験した中で1番静かなクリスマスイブになりました。
夕方、家族とLINE通話で話していると
5時にステキなサプライズが!!
ベッドの横の窓から見える通称ニコライ堂(東京復活大聖堂)の鐘が鳴り始めました🔔
ベッドに座りながら撮った画像がこちらです。(音量に注意してくださいね)
録画を聴き返すと
17時に鳴る地域の防災無線チャイムから流れる夕焼け小焼けのメロディとかぶってしまいましたが
実際はすぐ横にある鐘の音の方がよく聴こえていたので気になりませんでした。
ブログに載せられるのが1分までのようで途中で切れてしまっていますが
実際は5分間の演奏で、画像を鐘の中にズームするとお一人で両手足を使って演奏されておられることがわかりました。
(ニコライ堂の鐘は通常、礼拝がある日曜日になることで知られています)
毎年、クリスマスイブはご馳走を作って
家族と一緒に賑やかに過ごしてきましたが、
今回のクリスマスは、静かに1人で過ごしながら本来のクリスマスの意味を考える時間となりました。
翌日25日の朝。
左眼の眼帯も外れて、両眼を開けて見え方を確認。
スゴイ!!
みんな普通はこんなに見えるの??
が、開口一番のことばとなりました。
実際、晴眼者の皆様はもっともっと見えているんですけどね😅
みんなどれだけ見えてるの?
とも、ひしひしと感じました。
そして
鏡で自分の眼鏡をかけていない顔を40数年ぶりに見て
シミそばかすの多さに驚き…
これは見えなかったことにしようと思いました(笑)
25日の朝の矯正視力は、両眼とも0.05にまで上がっていました。
何をどうやっても0.1までは見えない目ですが
0.01→0.05 の違いは明らかで、QOLはかなり上がるなと実感。
室内で動くスピードが上がり
遠く用の眼鏡を作れば
もしかしたらまた1人で外出も出来るかもしれない!と思いました。
25日の朝の診察後
この日はもう特に何の予定も無く
ベッドでのんびりオーディブルを聴いていると
ニコライ堂の鐘が再び鳴りました。(音量注意)
光を取り戻したこの年のクリスマスのことは忘れられない日になりました。
あとは26日の朝の診察を終えれば退院です。
続く