もう明日はサンクス・ギビングです。
月日が経つのが早くて本当に信じられないくらいです
うちの病棟では、サンクス・ギビング、クリスマス、ニューイヤーの3大ホリデーのうち、1日は必ず仕事をする、という決まりがあるので、私はいつもサンクス・ギビングを選んでいます
患者さんたちもホリデー期間は、やっぱり自分の家族と一緒に過ごしたいと思うので、大抵はその前あたりに退院する人たちが多いです。
でも残念ながら、それが叶わない患者さんたちもいます
理由はやはり病状が思わしくないから、または手術をしたばかりで退院できる状態ではない、などの理由からです。
そんなわけでホリデー中のシフトは、Rapid responseやコード・ブルーが起きる確率が結構多かったりします
さて話は少し逸れますが、うちの病院では夜中に採血して、それで輸血を始めることが多々あります。
先日、私の受け持ちの患者さんの1人も、ヘモグロビン数が異常に低かったためにすぐに輸血が行われました。
輸血を始めるときは、副反応などが起きやすい最初の15分間はベッドサイドにいて患者さんの様子を観ることになっています。
夜中だったので、患者さんによってはそのまま寝てしまう人もいるのですが、その患者さん(Rさん)は全然眠そうでもなくてしっかり起きていました
私が輸血でRさんの側に付き添いしている間、スモールトークで彼といろいろと話していたんですが、、、
その時にRさんに、
「今回の病気(白血病)は、どうやって発覚したんですか?」
と聞いてみたのです。
そしたら、Rさんは少し口をつぐんでから、「もしかしたら今までの僕の生活習慣がそうさせたのかもしれない。」と1人ごとのようにつぶやいて、ふいに涙を流したんです
話によるとRさんは毎晩、奥さんと一緒に晩酌するのが好きだったみたいで、ディナー時には2人でワインを一本開けるのが習慣だったそうです。
私の周りでも、結構そういう人たちは多いです
自分がアルコール依存症だとは思っていなかったけれど、今思えば飲みすぎだったこともあったかもしれないな、と涙ながらに話してくれました。
実は今回、Rさんは仕事でバケーションを取って、ちょうど奥さんとメキシコへ旅行する予定だったんだそうです。
ところがその前から体調が思わしくなく、やむなくバケーションをキャンセルして、病院のERへ行ったのです。
そしたら、異常に高い数の白血球と共に、ヘモグロビンや血小板数が低いことが分かって即入院となったのでした。
Rさんは心の中で、ずっと自分の生活習慣が癌を引き起こしたではと自分を責め続けていたようでした。
今回、それが私の何気ない質問で一気に自分の中に湧き上がってきてしまったようでした。
確かに生活習慣の影響も多少はあるかもしれませんが、、、でもガンは実はそれだけが理由だとは絶対に言えないと思います。
例えば、私の周りでものすごく健康な生活習慣を送ってきたのに、なぜかガンになってしまった人たちもいます。
残念ながら、複雑な要因と偶然が積み重なって、体内でガンを引き起こす何らかの遺伝子異常が起きてしまったんです。
Rさんには、「自分を責めないでください。Rさんのせいではないです自分のことを大切にして、これから一緒にガンと戦いましょう」と伝えるのが精一杯でした
そしたらRさん、ますます泣いてしまいました私までもらい泣きしてしまいました、苦笑。
こんな時は、どんな言葉も役に立たないことは分かっているのですが言わずにはいられませんでした。
一番辛いのは、やっぱり今病気と戦っているRさんです。
そして彼を愛する家族も同様です。
自分の将来のために、そして家族のために、Rさんに頑張ってガンと戦ってほしいです。
打倒憎っきガンです
Rさんは今週もそのまま病棟に入院される予定ですが、また病棟へ行ったら様子を観に訪ねてみる予定です、、、。
一日でも早く退院できる日が来ることを願っています
そして昨日は、ダンナが近くのナーセリーでポインセチアを買ってきてくれました。
とても大きくて立派です
いろんな色合いがあるようで、そのナーセリーでは何と25種類のポインセチアが売られていたそうです
それでは、素敵なホリデーをお過ごしください