先に断っておきますが、たわいもない話ですので暇つぶしにいかがでしょう
最近「OOミュージック・ストアが閉店した」ことを聞きました。
OOミュージック・ストアは、私の住んでいる街では、以前は知る人ぞ知る有名なビジネスだったのです。
おそらくこの不況でビジネスが成り立たなくなってしまったのでしょう。
ただこのビジネスの名前を聞いて、私は一つの苦い記憶がよみがえってしまいました。
タイトル通り、自分のうっかり言ってしまったことに反省したというお話です。
もう25年以上も前のことです。
私はまだ花の独身でした
言い方が古い、笑
普段からお世話になっていた友達Cとその家族が、当時私のアパートの近くに住んでいました。
Cは私よりひとまわり年上で、私にとってはお姉さんのような存在でした。
そのため、よく面倒を見てもらっていました。
Cと家族はクリスチャンでした。
いつも日曜礼拝⛪️に通っていたので、私も友達作りのために一緒に教会へ行きました。
Cと家族はとても社交的な家族で、毎週家ではバイブル・スタディなんかも催していたし、友達も多く訪ねてきていました。
そんな中、私と歳の近いBという青年も、ときどき彼らの家を訪ねてくることがありました。
それでBも教会でギター🎸を弾いていましたし、彼の家族全員が何等かの楽器🎺🥁🎷🎹を演奏するという、教会では有名な「音楽一家」だったのです。
最初、私にとってBは「真面目そうな人」という印象が強かったです。
歳が近かったので、彼がCの家に来るたびに少しですが、たわいもない会話をした記憶があります。
そんなある日、Cが私に言いました。
「実はBね、Chloeのこと好きみたいよ。今度是非彼をウチに呼んで一緒にディナーしましょう❗️」
Cはその頃、他の若いカップルのマッチ・メーカー役もよくしていました。
とにかく面倒見の良い人だったのです。
私は特に断る口実も見つからなかったので「OK」と言ってBと会うことを承諾したのでした。
そしてディナーの日
その日、BはCの家に時間通りにやってきました
(私は前の晩から彼女の家に泊まっていました)
Cが美味しそうなスナックとドリンクを作ってくれて、まずは私とBの前のコーヒーテーブルの上に置いてくれました。
Bは「美味しそうだね❗️」と言って、私たちの前に置いてあるスナックの皿を自分の近くに動かして一人でもぐもぐと食べ始めました。
そしてスナックを食べながら、自分のことをいろいろ話し始めました。
自分の趣味、家族のこと。
現在の仕事のこと。
両親が経営しているミュージックストアのこと、、、
でも私はBと一緒に話しながらも、あんまり楽しむことができていない自分に気づきました。
なぜかと言うと、とにかくBは「自分のことばかり」話していたからです。
私についての質問は、彼の口からは一切ありませんでした。
会話がとにかく一方通行だったので、そのうち聞いているのが苦痛に感じてきたほどでした
そしてBは出されたスナックを、まるで自分だけのもののように食べまくっていました、笑
別にそれだけのことだったんですが、、、
ただ私の中ではBは友達以上の存在になることは絶対なし、とその時感じました。
少し経ってからCのダンナが合流したのですが、すっかりに空になったスナックの皿を見て、
「いやぁ、きっとすっごく美味しかったんだろうね。」
とジョークを言いました。
そしてCのダンナがそのまま私たちの側に座ってくれたので、私は「いまだ」とばかりに
「ちょっと、キッチンでCを手伝ってくるね」
とあわてて席を立ちました。
もしかしたら、Bから離れる口実を探していたのかもしれません。
ところで当時のCの家は、キッチンとリビングが別々の離れた場所にありました。
私がキッチンへ来たのを見ると、Cが小声で
「どうBのことどう思う」
と聞いてきました。
私は返事に困りました
せっかくこのような場を設けてもらっているのに、早速「Bには興味がない」と返事することはCに失礼かもしれないと思いました。
(こういうところ思いっきり日本人かもしれません)
それで話を逸らして、
「とりあえずBは(Cが作ってくれた)スナックをみんな自分で食べたちゃったよ。」
とジョーダン交じりに話しました。
Cは大きなため息をついて、
「Bにガールフレンドがいないのは、こんなふうに(他の人とシェアせず) 自分のことしか考えていないところに問題があるのかもねぇ。」
と言いました。
そして私に、彼女の娘Kと一緒にディナーの盛り付けをしてくれないか、と言いました。
Cには3人の娘がいたのですが、Kは当時小学校3年生くらいでした。
Kと一緒に盛り付けをしながら2人でたわいもないことを話していましたが、私はふいに、
「私、そろそろ家に帰りたい。」
と思わずつぶやいてしまったんです。
今思っても、なんであんなことをKの前で口にしてしまったのかと自分に腹立たしさを感じてしまいます。
元来ウソがつけない性格なので、ついつい言葉に出てしまったのかもしれません、、
いきなりBをボーイフレンドの視野に入れて考えなければならなかったことに苦痛を感じたのか、自分のことばかり永遠に話しているBにウンザリしてしまったのか、とにかくこの場を離れて家に帰ってリラックスしたい、、、そんな心の声がついつい外に出てしまったんだと思います。
しかし私のこの一言が、後でBを傷つけてしまうことになるとは、その時は考えることができませんでした。
とにかくKは「ふぅ~ん。」と言って、私のつぶやきを聞いていました
そしてCの美味しそうなディナーが運ばれて、みんなでいろんな会話をしながら楽しい時間が過ぎていきました。
Bは相変わらずモリモリ食べながら、さらに自分のことをいろいろと話していました。
私もその時には、結構リラックスして普段通りに会話していた記憶があります。
ところが、そんな中でした。
いきなりKが、
「マミー、さっきChloeが早くおうちに帰りたい❗️って言ってたよ。」
と言ったのです。
ちなみにKはなぜ今日Bと私がディナーに呼ばれているのかと言う理由を知りませんでした。
Kとすれば、さっき「早く帰りたい」と言っていた私を思い出して、お母さんにそう伝えてくれたのだと思います。
でもこの一言で、その場の空気が一変してしまいました。
Bが一瞬食べるのを止めて、同時に顔色がサッと変わったのだけは分かりました。
こんな感じでした。すみません、オバマ元大統領。
その後のディナーがどうなったのかは、今はよく覚えていないのです。
でも気まずい雰囲気のまま、BはCの家を去りました。
そしてその夜、私はCとそのダンナから
「あの言葉 (家に帰りたい) はBに対して失礼」とお咎めを受けてしまいました
私ももし自分がBの立場で、そんなふうに間接的に言われたら、きっととても傷つくだろうと思いました。
その後Bに一言でも謝りたいと思いましたが、もう既に出てしまった言葉は謝ったところで取り消すことはできません。
私はそれから何週間か教会に行きませんでした。
もちろんBに会うのが気まずかったからです。
でもそれから2か月くらい経ち、やっぱりこのままじゃ良くないと思ったので、思い切ってまた教会に行くことにしました。
礼拝が終わってから、談笑しているBの姿を見つけました。
Awkward~と内心感じながらも、とりあえずBに挨拶するべきだと思い、勇気を出して彼のいる方へ歩きました。
すると彼の隣に、可愛らしい女性が立っていることに気付きました。
私が近づいてくるのを見ると、Bはサッとその女性の手を握りしめて、私に
「やぁ、Chloe」
と何ごともなかったように挨拶してくれました。
そして
「彼女、OOさん。僕のガールフレンドなんだ」
と紹介してくれました。
私は心の中で「きっと今でもBは私のことをヒドい人だと思っているに違いないよね」と思いました。
でもそれはうっかり放った自分の言葉による自業自得というものなのだから仕方がないことです。
私はBとそのガールフレンドに「2人とも幸せになってね。」とせめて自分の心からの気持ちを告げてその場を去りました。
この出来事で、私は一度起きてしまったことはもう何も無かったかのように元に戻すことはできない、と言うことを学びました。
そして、自分の言動には十分気をつけるようにしよう、、、とあらためて心に誓いました。
さてその後、Bとその素敵なガールフレンドは縁がなかったのか、別れてしまったようでした。
(と人づてに聞きました。狭い街なので何でも分かってしまうのです、苦笑)
その後、私は週末の仕事などで忙しくなってしまい、次第に教会から足が遠のいてしまいました。
もちろん現在もBの近況は全然分かりません。
ただ最近OOミュージック・ストアが閉店というニュースを聞いて、このことをふと思いだしたのでした。
お店を閉店するということはよっぽどの決断だと思いますが、、、
Bやその家族がこの不況を無事に乗り切っているといいな、と願います。
以上です。
読んでいただいてありがとうございました。