最初、タイトルをどのように書くべきか迷いました
変なタイトルにして、怪しいサイトなどから連絡が来たらどうしよう?と思ってしまいましたが(笑)、今回お話するのは文字通りベッドについてです。
アメリカでは(というか欧米文化では)夫婦が同じベッドで寝ることが当然だとされています。
私たちが結婚したとき、「寝るときくらい自分だけのスペースが欲しいから」と個々のベッドを購入することを提案したのですが、ダンナに「夫婦が別々のベッドに寝るなんて信じられないよ」と非常にビックリされました
ダンナは背が高いので、一番大きいサイズのキングで、しかも更に縦に長いカリフォルニア・キングのベッドを購入したのです。
しかも「ウォーターベッドはとても寝心地が良いらしいよ」という彼の一言で、(後ほどものすごく後悔することになる)ウオーターベッドを当時かなり高い金額で買ってしまったのです
ウオーターベッドは8,9本のチューブ状の袋でできていて、そこに水を入れて「自分の好みの固さ(水を多く入れれば固く、そして少なければ柔らかくなります)」にすることができるのです。
こんな感じに作られています
この「チューブに水入れ作業」がとにかく大変でした
水を入れれば半端なく重くなるし、水はこぼれてくるし、やっとすべてのチューブに水が入ったときには2人とも疲れてグッタリしてしまい、新しいベッドの寝心地が良いか?なんてさっぱり分かりませんでした。
そしてこのウオーターベッド、水を入れてセットアップすると総重量が1800パウンド(約800キロ以上)になってしまいます
当時、我々はダンナの両親が所有していた家を借りて住んでいたのですが、このものすごく重いウオーターベッドのおかげで、ある日床が壊れてしまうというアクシデントが起こりました。
寝ているとき、いきなり床が揺れたので最初は地震が来たのかと思ったのですが、ベッドの足が見事、床板を破って貫通しておりました。
後日、ダンナのお父さんがちゃんと床を直してくれました。
その後、私たちは自分たちの家を建てることになり、とてもじゃないけどこのウオーターベッドは一緒に運べないので、別なベッドを買うことになりました。
このウオーターベッドは、ダンナのおばさんが「私が欲しい」と言ってくれて引き取ってくれることに。
次に買う新しいベッドは、カリフォルニアキングではなく、必ずレギュラーのキングサイズにすると心に決めていました。
実は、カリフォルニアキングはベッドの長さが長い代わりに、普通のキングサイズに比べて幅が少し狭いんです
ダンナは暑がりで布団などをあまり掛けないタイプです。夜寝るときに掛けても、翌朝にはすべてはぎ取っています。
そして彼の枕もいつの間にかフロアにあるときが多い。
それに比べて、私は極端な寒がりタイプ。
毛布と布団もすべてかけるし、おまけに電気毛布がないと眠れません。
翌日に仕事があるときは質の高い睡眠を取ることが大切だし、とにかくそれには安眠できる十分なスペースが必要でした。
よく映画などで、例えば男性の腕まくらで女性が熟睡?というシーンなどがでてきますが、個人的にはあれって絶対嘘だ~、と思っています。
普通、腕枕を長時間していたら、ヒトの頭は重いので腕が疲れてしまうし、頭を置いている方も腕は頭自体を十分にサポートできないので、気持ちよく熟睡できることなんて無理です。
(いや、もしかしたら中には大丈夫な人もいるのかもしれませんが)
とにかく、新しいキングサイズのベッドを買ったあとは、お互いの睡眠の質も格段と上がりました
それから何年か経ち、私たちは息子のために学区の良い地域へ引っ越すことになりました
その時にまた古いベッドを売って、新しいベッドに買い替えたのですが、やはりキングサイズのベッドを選んで正解だったなぁ、と思いました
ところが自分が歳を取るにつれて、分かってきたことが一つあります
アメリカ人の夫婦でも、実は別々のベッドまたは部屋で寝ている人たちもいることが分かりました。
彼らの場合は、例えばダンナさんの方が無呼吸症候群のためにCPAPをつけて眠るので音がうるさくて一緒に眠れない、という理由だったり、ダンナさん(または奥さんの)仕事が不規則なので別々な部屋の方がお互いに休息を取りやすい、というような理由からでした。
我が家は私が週に何回か夜勤で働いているので、日中に私が寝るときは広々としたベッドを一人で占領できます
同時にダンナも私が夜勤の日は、一人でのびのびとベッドで眠ることができるので、その辺はバランスが取れているかも?と思ったりします。
正直言うと、静かな場所で眠ると寝つきも違うように思います。
しかし今でも時々、ダンナに「我が家もやっぱり個々でベッドを購入しない?」とからかうと、苦笑いされます。
話はちょっと変わりますが、ダンナの両親は2人とも本当に仲睦まじくて、何をするのも一緒だったのですが、私がいまだに義母を尊敬していることの一つに「夫婦共々、必ず同じベッドで寝ていたこと」というのがあります。
実は義父は、とにかくいびきが半端なくすごかったのです
一緒にキャンプに行ったり、どこか泊まりに行くと、必ずお義父さんのいびきが、まるで地響きのように周りにも聞こえてきていました。
彼が亡くなる何年か前に、お義父さんが私たちを旅行へ連れていってくれたことがありました。
そのとき2部屋続きのホテルルームを予約したのですが、当然のごとく「私とダンナ」、そして「お義父さんと息子」という部屋の組み合わせとなりました。
そして夜になり就寝した途端、隣の部屋からゴゴゴゴゴ―――――ッと、ものすごい地響きのような音が聞こえてきたのですが、それはお義父さんのいびきでした
一時間ほど経って、息子が私たちの部屋に来て、「グランパのいびきがひどくて、とてもじゃないけど一緒の部屋には眠れないよ」と泣きながら言ってきました。
しかし息子がこのまま私たちの部屋で一緒に寝たら、後から理由を悟ったお義父さんを深く傷つけてしまうでしょう。
そのため、ダンナが後から自分のお父さんの部屋に行って、一緒に寝ることになりました
(息子については、当時はまだ幼かったし適当にごまかしました。)
いびきだけは、本人の意思とは反対に起こってしまいます。
そのため、これだけは(その当時は)どうにもなりませんでした。
それにせっかく気持ちよさそうに寝ている本人を起こして注意するのも、もちろん失礼だしできませんでした。
しかし私は寝ているときの音に敏感なので、その日は思いっきり寝不足になってしまいました
私がお義母さんすごいと感心したのは、こんなに大音量のいびきをかくお義父さんと、別な部屋で寝たいなんてことは決して言わなかったことです。
いつも当たり前のように、2人で仲睦まじく一緒のベッドに寝ていました
2人にはそれが当たり前のことだったんですね
そして何年か経ち、義母は大病を患ってしまいました。
大きな手術をしましたが、残念ながら術後の経過は思わしくなく、彼女の身体は休息に弱っていきました。
ある日、呼吸困難が起こり、義父は急いで911を呼びましたが、義母が「病院にだけは行きたくない」と言いました。
実はその前にも病院に何度も何度も通っていた義母は、とにかく痛い治療に心身ともに疲れ果てていたのです
それで義父が主治医と電話で話をして、(彼女の)容態が落ち着いたので今日はこのままベッドで休ませます、ということになりました。
そしてその夜、義母はそのまま眠るように、義父の隣で静かに息を引き取りました
義母が亡くなったことは大きな悲しみだったのですが、後から周りの人たちが「私も将来は病院なんかではなく、寝心地のよい自分のベッドの上で愛する人の側で最後を迎えたい」と話していたのは今でもよく覚えています。
義母が天国へ行って、もう10年が経ちます。
おまけです
現在のベッドルームには、少しでも居心地を良くしたくて自分の好きな照明を取り付けました。
私がとても気に入っているのが、このシャンデリア。
このシャンデリア一つだけで、ベッドルームがかなりガーリーな雰囲気になるので不思議です。(もうすぐ50ですけどね、笑)
実はこのシャンデリアは今の家を建てるときに、義父が取り付けてくれたのです
そして枕元の照明はこれ、ヒマラヤンソルトのランプ。
このオレンジ色の照明は目に優しいし、これは本当に気に入っています。
使うごとに表面の塩分が少しずつ溶けてきているのが分かります。
それによって形も微妙に変わってきて、ますます味わいのあるライトになってきている感じがします
以上、我が家のベッドについてのお話しでした