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漆職人の日々の行動を綴ります。仕事のこだわりから近所のお散歩まで…

毎日暑いですね…  久しぶりに休みをとって東京へ。

『東京都庭園美術館』





旧朝香宮家本邸


急に画像サイズが変わって見づらいですね。すみません。




余裕を感じます。というレベルではありませんね。住所は白金台、庭園美術館だけに庭が見事です。
今回は、邸宅そのものの展覧です。隅々まで舐めるように見ても大丈夫! ドアノブの鍛金や素材の組み合わせだけでも一つ一つ違っていて見応えあります。






これは大食堂の照明。ルネ・ラリック作  意外とテーブルが小さい… これって一皿づつ出てくるってこと?


磁器の香水塔











9月23日まで  ちなみに平日は撮影可です。
東京都庭園美術館



 7月2日、東京・外苑前の『Dialog In The Dark』へ行ってきました。



 久しぶりの東京でした。

 今回は、株式会社 明天様の企画で『めぐる』という3ツ組のお椀の発売イベントへの参加でした。
 このお椀、いろいろ特徴があって、DialogInTheDarkの視覚に障がいのある方の豊かな感性に頼ってアドバイスをいただき、より使いやすく心地いい漆器を作るというコンセプトが軸になっています。
 
 実際のアドバイス。古い椀をアレンジした自分の椀を参考として見ていただいたら、デザインとしての外側の角を、持ち上げたときに無意識に水平を感じると…。デザインの角が大きな意味のあるものに捉えられたんです。
 
 手や唇の触感に関しても鋭い感覚で漆を楽しまれてました。

 めぐるのHP



 今回の企画は、明天という会社代表の貝沼航氏によるお椀の開発販売プロジェクトです。
 会津という漆器の産地で、不況を背景になかなか育たない立ち上がらない新しい売り方。それを自分のチカラで切り拓こうとしています。
 貝沼さんはよそ者(会津に育ったのでもなく漆に関係した経歴でもなく…といった意味)です。
 その視点から、そして会津における漆の可能性を引き出す動きをしてきました。
 
 『めぐる』には、その漆の可能性を回転させるチカラがあります。興味を持っていただけたら幸いです。
 漆の仕事をされている方には当たり前な話なんですが。

 漆を塗るときや保存して置くとき、どんぶりを使うことが多いです。いくら管理を良くしても、少しずつ漆が固まってガビガビしてしまいます。

 今日は気が向いたんでどんぶりのお掃除。

 まずは、漆をよく固めます。芯まで固まらないと後から手が漆だらけになるので注意が必要です。
次に水につけ置き。ただ水に浸すだけのとっても簡単な作業。数日経ったらお掃除できます。

 ここで注意点。絶対耐水ペーパーや金属へらで擦ってはいけません。器に細かいキズが入り次回のお掃除が大変になります。

 器を水から出したら、漆を剥がします。これだけ。



 スポンジとかでこすれば剥がれます。が、今回は割り箸を使用します。



ペリペリ剥がれて気持ちいいぃぃ!



 最後に細かい漆をスポンジで擦って終了! 器は磁器です。漆は硝子に着くとこんな感じで剥がれます。磁器はガラス質で覆われてますね。簡単で便利なお掃除でした。
会津漆器技術後継者訓練校。お堅い名前ですがマジメに楽しく漆のお勉強ができる学校です。

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会津漆器技術後継者訓練校のホームページ
 以前、小学校6年の国語の教科書の物語『桃花片』をご紹介しました。僕にとって、手仕事に就くきっかけというか意識するきっかけになった物語です。

 最近、デジタル教科書の取材で東京書籍株式会社の方が工房にいらっしゃいました。短い時間の取材を終えられ、その後の雑談で、今でも大事にしている教科書のお話をしたら話が弾みました。
 そして新しい教科書を送ってくださいました。




 久しぶりに見る教科書は、より仕事を意識するような内容が多く感じられ、現役で使っている時とは全く違う感覚で読めました。なんというか… こういう意図を子供に伝えたいんだなと解るという感じ。新鮮でした。


 『桃花片』は、挿絵が変わり、イメージが変わってました。昔の版画バージョンは厳しさが強く感じられていたのが、少し和らいだような。



 内容は変わらずです。工房の本棚に並んでいます。