※BL小説になってます苦手な方はお戻りください
(BL小説)※
2話「ウサギさん」
「お兄様・・・・、」
「なんだい可憐」
「少し前失礼いたします」
「あぁどうぞ」
可憐は俺の前に座り雅楼に頭をさげるとまた雅楼を見る
その瞳はまるで母上のように強さを映し出す嫁入り子.....
「二ノ宮 可憐と申します・・・、彼岸様の妹・・・、嫁入り子
でございます・・・・、」
「嫁入り子・・・・?」
「えぇ・・・・、雅楼様は闇世界になにも触れずに生きていた
お方・・・、私<わたくし>がお兄様に代わってご説明させていただきます」
可憐は左手にもっていた紙を自分の前にひろげ口を開く
「まず闇の世界では一番権力を持つ家柄がいます・・・、それが二ノ宮家です
二ノ宮家では私たちの父上から婚礼をするようになりました・・・、」
可憐はもくもくと二ノ宮家について説明をし一息ついて闇世界の話もした
「そして嫁入り子とは頭首じゃなくなった弟・妹の事でございます・・・、」
可憐はメメ子ちゃんを見て言う....
メメ子ちゃんはこくりとうなずいて口を開く....
「私<わたくし>メメ子は嫁入り子でございます」
「私<わたくし>可憐も嫁入り子でございます」
「しかし可憐様は私のような嫁入り子とは違います・・・、」
「嫁入り子にもいろんな者がいます・・・、以上で説明を終わりますが
ご質問などありますでしょうか?」
「いや・・・、いい」
「かしこまりました・・・、」
可憐はお辞儀をすると俺の後ろまですり足でもどりまた座る...
「と言うわけだ・・・、お前が好きなヤツがいて婚礼を嫌がっても
婚礼は進んでしまった・・・、お前に自由はねーよ」
「・・・・・・、」
雅楼は黙って正座をするだけだった....
俺も黙ってそれを見るだけだった......
この動きだ雅楼は誰かが好きなんだろう....
「私に黙って婚礼を進めていらしたんですか?」
雅楼の声は怒りに震えていた.....
まぁそりゃぁそうだろうな.....
「あぁまぁな」
「・・・・・・・、」
いっきに悪役になった気分......
それほどまでに何もしらない瞳だったのだ....彼は....
「クッ・・・・、ククッ・・・・、」
「お兄様??」
「いやぁー!なんか笑えてきてね!」
いやぁ実にゆかいゆかい......
だってさぁ人生初最初で最後の見事なふられっぷりに
自分も少しなさけなく思えてきてね......
「クククッ・・・、あー・・・、」
「お兄様・・・、お水を・・・、」
「ありがとうありがとう・・・、ククッ」
雅楼の目は何がおかしいと語っていた....
コイツ口には出さないけど正直者だな....
「いやいや・・・、すごい振られっぷりだしなー」
「お兄様?」
「ん?なんだい可憐」
「お兄様は婚礼嫌じゃないんですか??」
「嫌じゃないよ??」
俺は相手がokなら別にこっちもokでいいやって
思ってたんだよね毎日毎日.....
でも相手は嫌だっていってるぽいし........
「俺・・・、嫌がってる子を無理やり闇に落とす資格ないから」
「お兄様・・・・、」
「彼岸様!お話が違いますぞ」
「世桜・・・、すまんな・・・、気がかわった・・・」
「雅楼!お前も!」
「世桜・・・、コイツは悪くないぞ?ただ「俺の気が変わった」だけだ」
「お兄様・・・・、」
「しかし実にゆかいだ・・・、今日はとまっていくぞ世桜」
「わかりました・・・、メメ子・・・、」
「ハイ・・・、」
メメ子ちゃんは部屋から出て行った....
「お兄様・・・、」
「可憐・・・、俺は少し外に行ってくるここらも久々だしな」
「かしこまりました・・・、では私も・・・、」
「いやいいよ・・・・、メメ子ちゃんのお手伝いしてあげて」
「わかりました・・・、」
「そういうわけだから少し外に行ってくるわ世桜」
「わかりました、早めに帰ってくるようお願いします」
「わかっている」
俺は部屋を出て宇霧家の玄関に立つ....
すると後ろには雅楼が立っていた....
「なんで自分から引いたんですか?」
「自分がやられて嫌な事は人にはしないタチなんだよそれに・・・、」
「それに?」
「恋してるんだろ?」
「っ・・・////」
「ハハッ・・・、まぁいいや・・・、がんばれよ「恋」と「親子喧嘩」にな」
「・・・・・・・、」
俺は走って家を出た......
何分走ったかわからない.....
きずけば神社に来ていた.....
社の前で座って夕暮れの空を見る....
「ハハッ・・・、俺・・・、何嫉妬してるんだろうなぁ」
俺はあの瞳に恋をした....
婚礼もあるし安心した....
だがあの瞳は俺じゃなくてベツの人に向けられている...
笑えちゃうよな.....自業自得って言うのか???
まぁどうでもいいが人生初の失恋って痛いと聞くがなぁ....
本当の事だった..........
「ハァー・・・、もうなんつーか一人になりたい・・・・・、闇社会の
闇になれたらいっそ楽なのに」
裏で金をかけあっている闇に......
楽そうだよな.....
つか堕ちるなよ俺....そんな事やったら二ノ宮家の恥だ.....
社から離れて林へ足をすすめる.....
すると......足元がゆがんだ.....下をみると.....
地面がない!!!!?
「おちっ・・・・!!!?」
ドシャッ!!!!!
~~~可憐目線~~~
夜の7時になってもかえってこない....
もうお出かけになって2時間もたってるのに....
「メメ子ちゃん・・・・、」
「可憐ちゃん・・・、元気出して・・・、」
「どうしましょう・・・、私・・・、私っ」
おどおどしている私をメメ子ちゃんは抱きしめて
「大丈夫・・・、旦那様に言いましょう」とやさしく言った...
「旦那様・・・・、」
「世桜様・・・・、」
「おや?なんだい二人とも」
「2時間前にお兄様はお出かけになられましたが・・・、
まだ帰っていらっしゃらないのです」
「心配でしょうがないので探しにいってまいります」
「じゃぁ雅楼もつれていこう」
「それではメメ子は兄様をつれていきますから可憐ちゃんは
彼岸様を先にお探しに・・・、」
「かしこまりましたっ!」
お兄様っ!!どうかご無事で!!
~~~雅楼目線~~~
さっきから胸がもやもやする....
俺には好きな人がいる.....
それなのに彼岸様の悲しそうな笑顔が離れれない...
「兄様・・・・、」
「入れ・・・、」
ふすまがゆっくりと開きメメ子が見えた.....
その顔は深刻そうに.....
「2時間たっても彼岸様が帰らないとの事で
今、探しております・・・、旦那様から探してほしいと・・・、」
「わかった・・・、」
一瞬心臓がとまったかと思ったが.....
すぐに冷静さを戻す.....
帰ったんじゃないのか?勝手に??
いや.....でもそんな事をするヤツじゃないと思う.....
2時間もたっている?
窓をみるとポツポツと雨がふりはじめていた.....
+++あとがき+++
好きな人がいるのに婚礼があるって
かわいそうですよね・・・、
でもそれを目に受ける彼岸が一番かわいそうだと・・・。
うっ(´;ω;`)<ここまで見てくださってありがとうございました