担当の異動が決まって間もない頃、元のホーム店舗のイベントに誘っていただいた。


我がホームではいろいろなイベントが控えていて、担当も客も「いよいよこれからだ!」という熱気に包まれていた最中だった。


(アメンバー限定)



そんな中、唐突に一人だけ異動。



その熱気の中から、担当だけがいなくなる。


そんなタイミングだった。



今回誘っていただいたのは、立食パーティのような雰囲気の中で、飲み物や食事を楽しみながら買い物をするイベント。


そんなに上位の顧客とも思えない自分まで誘っていただけたのは、担当についていくと決めたことを、ちゃんと見ていてくださったからなのだろうか。


ありがたい話である。



そして当日。


時間通りにお店の前へ。


集まっている皆さんはウキウキと楽しそうで、これからのお店の変化にも期待しているようだった。


私は泣きそうだった。


みんなが前向きで、楽しそうで、これから始まる新しい時間を楽しみにしている。そのポジティブな空気に、自分だけがうまく入っていけないような感じがしていた。


イベントが始まってからも、私と担当だけはどこかしんみりしていた。


しかし時間が経って、担当はどことなく前を向いているようだった。


私はまだ、うまく受け入れられていなかった。


若干、つらかった。



……と、言いつつ。
イベントに合わせて用意していただいていた商品は、ちゃんと購入しているのだが(笑)


家族が欲しがっていたものである。


そこもまた、ありがたい。



店長や他のスタッフさんからも挨拶をいただいた。


「ああ、この方たちとも、もうお別れなのか」


と思うと、また少し寂しくなる。



なので私は、


ケータリングを若干やけ食いし、


ドリンクをいっぱい飲み、


最後には花束までいただいた。



もはや、さながらお別れパーティである。
なんだかんだで、イベントを楽しんだ。




家に帰ってから、一緒に参加した友人と、ホーム店舗でのこれまでのアレコレを振り返っていた。
すると唐突に、


ピピピピ……!!!


と、机の上で音が鳴った。


「え?」


ずっと鳴っている。


ピピピピ……!!!


音のする方を見る。


今日買った、あのオレンジボックス。


その箱の中から、
まるで何かが爆発する直前のような音が鳴り始めた。


「え!?」


私たちは警戒した。


エルメスの箱から、こんな音が鳴ることがあるのか。


オレンジボックスを前にして、
二人で固まるのであった。


続く。


では。


ヤドン