前回の続き、





オレンジボックスから、爆発でもしそうな異音が聞こえてくる。


ピピピピピピ……!!


え、何!?



これは家族に買ったものなので、本当は開けたくなかった。



でも、さすがにこのままにはしておけない。


仕方なくオレンジボックスを開けてみると――


なんと、商品に防犯タグがついたまま。


なるほど。犯人はお前か。


とりあえずお店に電話をしてみる。


しかし、この日はイベント当日。


当然のように電話はつながらない。


しかも、この防犯タグ。
まあまあの爆音で鳴っている。


これは家で悠長に待っていられない。
ということで、速攻でお店に戻ることにした。



車を走らせ、お店のパーキングに停めていると――


ピタッ。


なんと音が止まった。


今!?


もう店の前まで来てしまったし、ここまで来たら仕方がない。再び、イベント開催中のお店へ突撃する。


店頭には店長がいたので、事情を話すと無難に対応してもらえた。


担当も、この回は自分の顧客を担当しておらずサポート側だったため、すぐに来てくれた。


防犯タグを外してもらい、再びラッピングしてもらう。


その間、私はまたイベント中のお店に舞い戻ることになった。


でも、これが不思議とよかった。



さっき参加していた時よりもずっとくだけた雰囲気で、担当とも普通におしゃべりできた。


自分もイベントのあと一度着替えて、かなりラフな格好になっていた。


しかもイベント自体も最終回の終盤。
余ったケータリングが次々と運ばれてくる笑



さっきまで漂っていた、あのしんみりした空気がない。
普通にしゃべって、普通に笑って。


その時、自分の中でふと思った。


「あ、なんか今、異動のこと吹っ切れたな」


本当に、そんな瞬間だった。


ハプニングに助けられた。


今思えば、担当の異動は良かったのである。
以前のお店にいた頃とは違う景色を見て、新しい場所でちゃんと楽しそうに働いている。


自分も、自分で選んで担当についてきた。
だったら、もう前のお店にいた頃と比べ続ける必要もないのだろう。
まさか防犯タグの爆音で吹っ切れるとは思わなかったけれど。


お店が変わって、エルメス との付き合い方もまた変化している。


そのあたりの話は、またいつか書こうかな。


では。


ヤドン