秀山祭九月大歌舞伎
市川染五郎と尾上左近。
この二人の想いを成就させたい。
ようやく、この芝居の面白さが分かった。
そして男女の恋模様にここまでハラハラするなんて思いもよらなかった。
完全に感情移入できた。
新喜劇なら無理くりでも二人をくっつけてハッピーエンドにしてしまう。
歌舞伎はそうでない。
二人共殺してしまう。
悲劇だから。
左近くんお付きの女中、中村京妙。
この方もセリフに詰まった。
今日は連鎖している。
初日だから?
玉サマとご一緒だから?
そんなことでは川に流されて、サメの餌食にされてしまうぞ!
玉サマの悲哀の表情に泣かされた。
左近くんはちんまりとして可愛い。
が、首を刎ねろと母に懇願する。
見た目と役とのギャップにショックを受けた。
凄い芝居だ。
染五郎くんの大作に挑む覚悟が垣間見える。。
そう、二人共、当然に熱演になる。
上手、下手云々ではない。
古典の名作に挑み、そこで坂東玉三郎と共演した。
その歴史を持つことが大事なのだ。
思い出ではなく、歴史。