生誕300年記念 

池大雅─陽光の山水

 

 

三連休の最後は予定なし。

何して良いのかわからない。

昼近くまでグダグダ過ごす。

 

このまま虚しく時を送るのは勿体ない。

外に出たけど、何処行っていいか分からない。

 

アーティゾン行こうかと思った。

が、ここは常設展も含めて時間を取らねばならない。

時間的に「マリー・ローランサン」だけで終わらせてしまいそう。

 

ならば買い物するかと有楽町へ向かう。

と、出光美術館あるじゃないかと思いつく。

もうずっと行っていない。

 

スタバでカロリーゲットしていたら、15時半を回っている。

閉館まで時間がない。

 

 

池大雅???

誰だっけ?

聞いたことあるような、思い出せない。

明治の人?

江戸の人。

 

とにかく入場して、実物を眺めることにしよう。

いつもの行き当たりばったり。

ちょっと前まで歌舞伎も、こんな感じで見てたっけ。

 

 

 

山水画?

水墨画?

とてもカラフル。

 

解説文が大変わかりやすい。

作品、画家への好奇心をちょいちょい引き出してくれる。

 

例えばこのチラシ。

ピンク。

これだけでも何だかウキウキしてくる。

 

 

 

次第によくわかってきた。

たとえば、賛?

これをあの白隠和尚が書いている!

そして、絵は葛の葉。

お多福の顔で狐の尻尾。

POPだ。

 

 

一転、山水画は迫力に満ちている。

 

 

自分たちで山登りするのが好きだったって。

そこでスケッチしたものを作品化する。

 

また明国や室町時代の作品を研究し、その時代のトレンドと混ぜたりする。

爪とか指で書いたものもあった。

 

 

面白い!

面白すぎる。

 

絵は超絶技巧なのに。

何だか軽妙な気分になってくる。

 

 

十代の頃に書いた作品も展示されていた。

若い頃から卓越した絵を書いている。

彼はどんな顔していたんだろう。

と、自然と歌舞伎役者を当てはめていた。

染五郎くん。

 

すると壮年の画家は、幸四郎さん。

晩年は白鸚丈。

 

絵を見ているのに、途中から画家の物語を妄想していた。

高麗屋のお三方を勝手にキャスティングして。

 

 

ずっとこんな感じ。

つい一時間前まで、誰?それ?って思ってたのに。

 

すっかりハマってる。

 

退館時間ギリギリまで見て、帰ろうとすると、何とルオーの展示もあるって。

 

 

「天守物語」の名台詞をパロって、脳内で繰り返していた。

 

帰りたくなくなった、もう帰るまいと私は思う。

 

そんな訳にはいかない。

夫人もとい館内の人に成敗されてしまう。

後ろ髪を引かれる思いで退館した。

 

 

多分、これはリピートする。

河鍋暁斎や月岡芳年以来のヒットだ。