十八世中村勘三郎十三回忌追善

猿若祭二月大歌舞伎

 

 

色恋は人を不安定にさせる大要因の一つ。

そのユラユラとした感情の推移から、惨劇に持っていく。

 

中村時蔵が素晴らしい。

あれだけ大勢で繰り広げる舞台て、その重石になっている。

彼を女将に配したキャスティングに感嘆する。

 

片岡仁左衛門、中村歌六、尾上松緑と豪華な面々。

 

 

中村七之助の八ツ橋には驚愕した。

あんな美しい人が突然現れたんだから。

そりゃ釘付けになるよね。

 

 

中村勘九郎には余り感じるところがなかった。

浮かれ具合も愛想尽かしを食らっても。

 

淡々と見ていたのだが、、、ラストに覆された!

まるであすこに全てを持ってきたような!

あの絶大な狂気!

 

瞬間的に憎悪を爆発させる。

暗黒面の表出。

黒い霧が彼の身体から吹き出している。

 

 

彼にやられた。

完全にやられた。

 

勘九郎さん、お見事!

中村屋!!