二月御園座大歌舞伎。
先週の土曜、翌日曜に分けて観劇した。
今回は所謂、弾丸旅行。
着いて観劇、また観て帰京という慌ただしいものだった。
故に、出発前日も軽い気分であった。
すぐ帰るのだから。
一応、美味しいものは食べた。
さて、初めての御園座。
最後列の安席だったが、見易い。
歌舞伎座の幕見席で最上部からの見晴らしの良さを覚えた。
それが功を奏した。
しかも昼夜同じ席。
使ったロッカーも同じ場所。
しかも100円返却型!
何て親切な劇場なんでしょう。
夜の部から観た訳だが、これが衝撃だった!
市川男女蔵の「丸橋忠弥」。
これは面白かった。
そして成田屋&音羽屋の「勧進帳」。
特に「勧進帳」はとても神聖なものを観た気がした。
"信じる"に足るもの。
初めての体験だった。
何故そう感じたのか、未だに分かっていない。
自分の"これまで"が一変するような衝撃だった。
名演というならば、他の役者でも多々あるはずだ。
ということは、そういうものとはちょっと違う?
自分自身の何にヒットしたのかしら。
翌日に昼の部。
まずはカンカンの「外郎売」。
とかくレベルアップ著しく"段々と着実に"という言葉がピタッとくる。
舞台の前にはパパと泳いでいたのにね!!
そして美美美の「吉野山」。
言及していなかったが、中村雀右衛門も素晴らしかった。
「勧進帳」の義経、そして静御前。
どちらも、"神妙さ"から繰り出される芸だった。
意気まずにいた分、この公演から得た衝撃は大きかった。
観劇後の数日間は歌舞伎の"か"の字にも触れていない。
吹雪に押し込められて興奮が収まったのかもしれない。
今年の自分は間違いなく変わっているので、何かと敏感になっている。
故に歌舞伎に対する姿勢も、そこから受ける感動もまるで違うのだろう。