精神はあんまり調子良くない。
それでも月初に比べれば格段に良くなっている。
が、上がったり下がったり。
その下がった状態での観劇となってしまった。
目当ては、中村歌昇の「熊谷陣屋」と、尾上松也の「魚屋宗五郎」だった。
詳しくは、また次回に。
私は浅草歌舞伎ってのを全く知らない。
去年始めて観たくらいだ。
過去には中村屋兄弟、(現在)執行猶予中の猿之助、そして男女蔵さんも出てたのね。
オメッティコールってのがあったって?
そういう時代のチラシをながめていたら、流石の猿之助。
こんなファッションをバシッと着こなせるなんて。
震えを覚えるほどに素敵だ。
2011年だって。
先月、歌舞伎を全く知らない人と猿之助の話をした。
にべもなく「あれって殺人だよね?」と返ってきた。
そうこれ。
これこそ、歌舞伎に、彼に興味のない人にとっての、至極まっとうな意見なのだ。
猿之助が可哀想とか、週刊誌が悪いとか、それは贔屓脳の幻想に過ぎない。
世間は親を殺した人としか思っていない。
が、私はそんな彼が、舞台に戻ってくることを願っている。
世間ずれだろうが、非難があろうとも。
彼が法律上の償いを終えて、再び舞台に戻ってくることを願う。
その時、彼がどんな芝居を見せるのか。
直向きに歌舞伎に情熱をかけていた。
きっと浅草歌舞伎でもそうだったはずだ。
その情熱が戻ってくることがあれば。
今もそれを宿しているのであれば。
誰も成し得なかった芝居に到達するのではないだろうか。
だってこんな経歴で舞台に戻ってきた役者なんていないのだから。