片岡仁左衛門丈の可愛さを楽しむ。
この芝居の裏テーマは”喜劇”なのかもしれない。
表立ってはしゃいでしまえば、歌舞伎の風味は損なわれる。
そこで、松浦候を楽しく演じることで”喜劇”を表現する。
大名ながらに、茶目っ気たっぷり。
すねたり、少しそそっかしくもある。
仁左サマの”喜劇”。
そう考えるとより一層楽しくなる。
近習たちの追従がまた楽しい。
その筆頭に猿弥さんが位置している。
見事に”喜劇”に乗っかっている。
続くのが隼人くん、大ちゃん、吉之丞さん、橘太郎さんと豪華。
尾上松緑は気合を込め過ぎだ。
三ヶ月連続興行の”忠臣蔵~紀尾井町外伝~”。
今月は赤穂義士を演じるので興奮しているのかしら。
講釈師にでもなったつもりか、討ち入りの物語にはさらに熱が入っていた。
とは言ったものの、中村歌六と共に”喜劇”の重しとして良い役割だ。