歌舞伎座新開場十周年

秀山祭九月大歌舞伎

二世中村吉右衛門三回忌追善

 

 

体調不良により松本幸四郎が休演している。

お見舞い申し上げます。

 

そして中村勘九郎が駒形茂兵衛を代演してくれる。

この機会を大切にしたい。

彼の活躍を見ておきたい。

 

 

やっぱり幕見で観ることにした。

 

 

ちなみにこの役、勘太郎時代に何度か演じているが、いずれも良かったそうだ。

 

さて、その茂兵衛。

腹が減っている顔が何とも可愛らしい。

酌婦たちが言う通りに”色気がなく”、とても素朴だ。

 

 

 

中村雀右衛門のお蔦が素晴らしい。

前回見た時は、この我孫子屋の「やけくそ」感が物足りなく感じた。

が、今宵はその何倍もの「やけくそ」だった。

この姿が芝居の後を知っているだけに泣けてくる。
(おきみちゃんとの暮らしは、母性が溢れていて、これだけでまた泣く。)
 
 
もう方々で泣きっぱなし。
 

 

本来、お蔦はとても優しい人だ。

 

京屋はその優しさを如何なく発揮している。
他の演者は茂兵衛とのやり取りの中で少しずつ心を解いていく。
が、彼はもっとストレートに、それこそ邪魔者がいなくなってからドンドン優しさが出る。
 
どっちがいいとかではない。

が、彼のやり方は、後のお蔦の様変わりに違和感がない。

つまり、お蔦は元から優しい人だというのが理解しやすい。
 
 

中村屋の茂兵衛もそうだ。

 

博打打ちになってからの颯爽さは、どういうしたことだろう。と思っていた。
ヤクザになったから?
それもあるだろう。
が、彼は元から(田舎者ではあるが)そこそこ颯爽とした人なのだろう。
それが、利根渡しでよくわかった。
メシ食って元気になった彼は流暢だ。
 
 
見れば見るほどの発見がある。
 
 
中村屋の17世→18世と続く形。
高麗屋の白鸚丈や播磨屋から受け継いだ形。
それぞれのルーツから駒形茂兵衛というヒーロー像が出来ている。
それを見るのも楽しかった。
 
 
そして、もう、しつこいが、泣かされっぱなし。
心は洗われ、精神は落着し、目はグジュグジュで、鼻はつまる。。。
 
 
中村東蔵&松本錦吾の長老コンビの芝居は今宵も痺れた。
染五郎くんと中村屋の絡みは期待通りの眼福。
おきみちゃんの子は歌がうまい。
悪役の錦之助も恰好いい。
 
 
魅力に溢れて、涙も溢れるこの芝居。
 
高麗屋が帰ってきたらまた観に行く?
いや、少し自重しよう。
 
こういう感動的な作品に対して、興奮し過ぎな気がする。