神明恵和合取組
め組の喧嘩
市川團十郎は言わば”俺様芝居”なので、彼が良くなければ全てがダメになる。
初日から彼は色気と貫禄で魅せていた。
そして23日に見た時は血気、若気のような危うさを放っていた。
我慢の美学とは少し違う。
深謀遠慮までは行かない。
せいぜい軽挙妄動を慎む程度。
粋や鯔背は音羽屋で堪能できるが、成田屋の身体には火薬が詰まっていた。
そこに火がいつ付いてもおかしくない。
わざと付けないでいるところに雀右衛門の女房が絡む。
彼女の方が一足先に火が付く。
じれったく、しかし感極まっても涙を堪える勝ち気さに、見ているこっちが涙を誘われた。
当然、成田屋の”俺様”だけでは芝居は成り立たない。
脇の人たちが巧みに彼に着いていき、盛り上げて、また制御して、、の歯車がカチッと合わなければならない。
が、ああも大勢いると大変なものだろう。
千穐楽バージョン?の動きもあった。
それらも含め、中村いてうさんなど名うての立師がしっかりと支えていた。
彼らの一瞬の仕事を垣間見れたりすると楽しい。
また途中までは、麗禾ちゃんとカンカンがいつもの場所からパパ見学してました。