三代猿之助四十八撰の内
傾城反魂香
土佐将監閑居
この幕は見所が多い。
まず、中村歌六のビジュアルと貫禄がとても良かった。
大きな芸に魅入られた。
團子くん。
敵方へ討ち入る前の花道で見栄を切る。
この姿が実に美しかった。
気力の充実を感じられた。
今の彼は放たれた弾丸。
この修理之助のように。
寿猿さん。
元気百倍に舞台に明るくしてくださる。
猿之助騒動では良からぬ言葉を浴びせられたそうでお気の毒。
芝居では、名を与えられた中車(又平)に、裃を渡し、御祝を述べる。
これも中車復活に当てた演出のように思えた。
そして、中村壱太郎。
個人的にこの幕一番の眼目。
写実的な芝居が心地よかった。
歌六(将監)とのやり取りがスリリング。
彼に見放され、縁側の階段で品垂れる様がスゴくイイ!
彼が代演だという意識は完全に忘却していた。