初代国立劇場さよなら公演 

歌舞伎名作入門 3月 

歌舞伎公演

鬼一法眼三略巻

 

 

一條大蔵譚「曲舞」

檜垣茶屋ではなく曲舞という珍しい場が入った。

個人的にはこっちのほうが好きだ。

滅多に出ない。

初代から今日迄で一割程度の上演率らしい。

レアキャラならぬレア芝居。

 

檜垣茶屋→曲舞→奥殿の流れらしい。

 

直近では2009年に現猿之助が演っている。

こういう所に目を付けるなんて。

流石だねぇ。

 

 

面白いのは長成が敵を翻弄しながら阿呆を気取るところ。

まるで後に出る牛若丸VS弁慶戦の様だ。

 

嵐吉三郎のドスの効いた声が中ボス悪人の風格を帯びていて良かった。

太郎冠者衣装の片岡亀蔵は小悪人の可笑しみが出ている。

 

 

亀蔵さん、国立劇場開場時に菅秀才で出ていたって。

仁左衛門丈も桜丸か何で出ていたのよね。

 

 

「奥殿」

中村歌昇・種之助兄弟は正月以来の夫婦役。

 

歌昇さん。

浅草歌舞伎では吃って消極的な役だった。

今月は常盤御前をシバいちゃう、強い。

 

種之助さんの女形は変わらず可愛い。

 

 

中村又五郎の大蔵卿。

吉右衛門や仁左衛門、白鸚丈とは違うシンプルな佇まい。

 

前者は皆、体格がよく従って迫力がある。

又五郎さんは小柄なのでそういった風格は少ない。

が、故に公家の優雅さが際立つ。

これは見た目の話。

演技云々ではなく。

 

 

又五郎さんは、役そのものを具現した芝居をなさっている。

余計なものが無い。

言葉がおかしいかもしれないが、役を初期化したような感じ。

これは以前の狐忠信でも感じた。

 

それでいて阿呆の柔らかさと本性の凛々しさを瞬発的に放つ。

ドンドン引き込まれる。

楽しい、カッコいい。

 

 

例の「いなしゃませ」。

流れるような美しさに魅せられた。

 

 

もうただただ感動。

 

 

これから、又五郎さんがこの芝居を演る時は、曲舞バージョンでお願いしたいです。