「最終回」〜『新・文殊超え4』〜 | ぬめんちょ君、かく語りき

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今週もやってきました、『三人寄れば文殊超え』
先週までの3回は「1人がオススメすることを、他の2人が実行してレポートする」という企画をお送りしてきました。
今回は、従来の「3人が同じテーマについて書く」という競作スタイルに戻します。
とは言っても、今回で『文殊超え』は最終回です。
11月限定での復活と決めていたので元から全4回の予定だったから仕方ないのですが、盛り上がってきたら継続するというささやかな期待が実るほどの反響もなかったのが悔しいところです。

最終回のテーマは「最終回」です。
安直を飛び越えてもはや斬新!!



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『頭の体操』の第1集に、「時計の鐘の音の間隔が5秒として、8時を知るには何秒かかるか?」という問題がある。
鐘が鳴り始めてから8回目が鳴るまでは7回の間隔があるから、7×5で35秒だと思ったら大間違い。実際は「9回目が鳴らない」ことを確認して初めて8時だと知ることができるのだ(正解は40秒)。
それと同じように、「最終回」と言えるには、「最終回以降、2度と続かない」ことが必要だ。逆に言えば、続きがあれば、最終回だと思っていたことは事後的に最終回ではなくなる。


さて、ここで僕の友人M君に登場してもらおう。
Mはそこらの私小説家よりも自分の私生活を暴露して僕を楽しませてくれるのだが、ある日落ち込み気味に僕にこう打ち明けた。

「彼女と別れたんだ」

Mの彼女は僕も写真だけは見せてもらったことがあるのだが、はっきり言って大して可愛くもない、可も不可もない微妙なルックスの持ち主。乳首だって黒ずんでるそうだ。性格が菩薩並みに慈悲深くでもなければ付き合うメリットもないけれど、毎回会計のタイミングで尿意を催す大悪党とのこと。
じゃあなんだってそんなに落ち込んでいるのか、別れて新しい女の子を見つける良いチャンスじゃないかと言うと、Mは「何とかよりを戻したいと思っている」と意外な答えを返してきた。そして、彼女との「最後のセックス」をおもむろに語り始めた。



その日、オレはバイト帰りですんげぇ疲れてたんだよ。
それで彼女のマンションに行ってすぐに寝ようと思ったんだ。
だけど、そんな時に限って彼女が発情してオレのティンポーヌ1世にまとわりついてきやがった。
適当にかわすこともできたんだけど、彼女のテクニックに抗うことはできなかった。

「乳首の黒い女ほどフェラが巧い」

ダーウィンが『進化論』の中で証明したことは本当だったよ。
さぁ、火がついちまったもんはしょうがない。
促されるままにゴムをつけて、がばがばな穴に挿入して腰をふりふりしたよ。
でもな、そうしている内に、眠くなってきたんだ。
ふりふりしながらうとうとしちまった。
股間にぼんやりとした快感を感じながら、夢と現実の境界線を行ったり来たりしてた。
そうしたら、彼女が急に「え、なになになに!?」と声を上げたんだ。
何事かと思って目を覚ますと、彼女が「なに、おかしい!なんか変!!」と言っている意味が分かった。

おもらししてたんだ。
ゴムの中でしょんべんしちゃってたんだよ。

しょんべんでゴムが膨らんで、がばがばな穴を内側から押し上げて、膨らむだけ膨らむと、さすがにがばがばな穴からの圧力に負けて、ゴムの裾野からしょんべんが溢れ出した。
ベッドはオレのしょんべんまみれさ。
言うまでもないことだけど、彼女はかんかんだよ。
ふりふりしてうとうとしたらびしょびしょになってがばがばがかんかんさ。

何はともあれ、その場で別れを切り出されたよ。
世の中に男女の別れは数あれど、こんな突拍子もない別れ方って聞いたことあるかよ?
オレとアイツの最後のセックスがこんなみっともない形だなんて情けない。

何としてでも、もう1回まともなセックスをして、それから別れなきゃダメなんだ。





そしてMは、世にも惨めな最終回を事後的に変更しようと今でも企んでいる。




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