オタクとサブカルと
・オタク(もしくはおたく、ヲタク。ここではオタクに統一)の語源は宮崎勤事件をきっかけに広まった、お互いを「おたく」と呼ぶことから名付けられた、アニメ、マンガ、ゲーム等を深く愛好する人々。ただし現在では洋楽オタク(洋オタ)、海外サッカーオタク(海外サカオタ)等、様々な分野においてこの呼称が使われているが、単に「オタク」と呼ぶ場合はアニメ、マンガ、ゲーム方面のオタクを指すことが多い。
・サブカルの語源はサブカルチャーに起因するが、昨今使われている「サブカル」は広義のサブカルチャーとは異なり、70年代から80年代にかけて一部の若者の間で流行った「宝島」「ビックリハウス」等の文化を起源としつつも、90年代以降になってからその中のおしゃれな部分を抽出してブランド化・権威化したものを指す。また、ニューアカからのインテリ・スノッブな流れも強い。
・オタクとサブカルは現在においては根源から別種族。端的に言えばオタクは非モテ志向で、サブカルはモテ志向。
・オタクの主体がある特定の対象(アニメ、ゲームなど)であるのに対して、サブカルの主体はある特定の対象が好きな自分自身。自意識はどちらも強い。
・オタクは自分の趣味をネガティブに捉え、オタク同士のコミュニケーションの中でも「俺たちしょーもないな」「俺たちダメだな」という感覚を保持するのに対して、サブカルは自分の趣味をポジティブに捉え、サブカル同士のコミュニケーションの中で「俺たちやっぱりセンスいいよね」と鏡写しに自己確認する。そしてどちらも閉鎖的。
・オタクにおけるある対象の評価ポイントは、その人固有の評価点によって定まるが、サブカルにおけるある対象の評価ポイントは、ある種のオシャレさや、適度なマイナーさ、また、すでにあるパブリックな評価が優先される。特に適度なマイナーさは重要で、大衆化したものはそれだけで軽蔑されやすい。
・同じ対象でも評価ポイントの違うオタク同士によって論争が生じることは珍しくないが、サブカル同士ではそもそも評価ポイントが外部の権威に沿っているケースが多く、論争は起こりにくい。また、お互い掘り下げようとしない。
・サブカルがあるオタクの領域に踏み込んだとき、踏み込まれたオタクはそのサブカルを激しく嫌悪する。ことに、商売のダシに使われた場合その嫌悪は頂点に達する。
・オタクが自己嫌悪から脱オタ、隠れオタにクラスチェンジした場合、同族嫌悪からオタクを激しく嫌うことが多い。また、多くの場合脱オタ、隠れオタはモテ志向なため、手っ取り早いモテるための武器を探してサブカルへとクラスチェンジすることも少なくない。さらに、サブカルがその自意識を嫌悪して脱サブカルへとクラスチェンジするケースもある。もちろんこの場合脱サブカルはサブカルを激しく嫌悪する。
・オタクの上級蔑称はキモオタ、サブカルの上級蔑称はオサレサブカル。
・一般人から見たオタクとサブカルの最大の違いは身なりと容姿。というか一般人にはサブカルという認識はあまりない。
他にも色々思いついたような気がするけど、忘れてしまったのでとりあえずこのくらいで。ちなみに自分の立ち位置を正直に書いておくと、脱オタの脱サブカルみたいなポジションですが、オタクの知識の深さには敬意を払えるけれど、サブカルには何一つ敬意を払える要素がないと思っているので、ちょっとサブカルサイドに対して辛めになっているかもしれません。
以下、参考にした文献、サイト。
人工事実 オタク定点観測 オタクとサブカル様
人工事実 90年代初頭、本屋にスタジオボイスが置かれる棚はなかった
漫画ブリッコの世界 岡崎京子・桜沢エリカはなぜ『ブリッコ』でウケないのか
今か無しか -Now or Never- 「次世代オタク」と「ファウスト」
TRiCK FiSH 切通理作『ポップカルチャー 若者の世紀』(廣済堂出版/2003年)
どうして僕はこんなところに(「スタジオボイス」加藤陽之氏講演の起こし)
あと、最後におまけ。友達を経由してもらった、現代オタク史の画像をのっけときます。作成者は大学受験板のななしさんらしいです。一応友達づてに本人の許可はいただきました。素晴らしいデキで感動です。アメブロの鯖だと縮小されてしまうので、ジオに持ってる鯖にうpしましたが、どうも直リンだと上手く表示できないので、一度踏んでから再度移動(更新だとダメっぽい)してみてください。
今週のモーニング
2004/1/20発売 8号
<総括>
全体的にイマイチだが編集長が代わる前よりはマシ。
表紙はとてもいい。先週、先々週といい、前編集長時代だったら表紙にしてもらえなかっただろう作品を起用してるのが好感持てる。
とりあえず来週久々登場のツジトモが楽しみ。予告でツジモトって誤植されてて不憫だけど。
続・茨城の中傷HP医師
山崎宏之氏が自身のブログで女医を糾弾
http://blog-yamasaki.com/archives/001048.html
↓
自身の医者であるかけそば氏がこのニュースを医者バッシングとしてマスコミを非難。さらに、山崎氏のエントリを知り強く非難。
http://kakeane.exblog.jp/310625(現在は削除)
キャッシュ
↓
この事件を取り上げた女医さんのブログのコメント欄でかけそば氏が書き込み。内容は山崎氏の批判。その後山崎氏も登場し揉めた挙げ句一部コメントが管理者裁定で削除。かけそば氏はブログ閉鎖。
http://blog.livedoor.jp/nakomayu/archives/12372311.html
個人的には今回の医師の事件は、医者という職業以前の、社会人として常識に欠けた頭の悪い人がやらかした騒ぎというだけのことであって、医者全体の問題でも何でもないと思っています。イタいHP系ネタと同列。だからこのブログでは、生暖かい目でこの医師を小馬鹿にするようなスタンスを取りました。(色々巡回していると、「これくらいの愚痴の何が問題なんだ」みたいな論調の人もいますが、そう思った人はこの医師に変に自己投影せず冷静に中傷日記の抜粋を読み返した方がいいと思います。それでも問題ないと感じるようであれば……自身の社会的モラルを疑った方がいいかもしれません。)
要は、どんな職種でも同じようなことが書かれていたら当然問題にされて然るべきなことを書いていたというだけの話。居酒屋店員が自身のブログで嫌いな客の罵倒を書き連ねて、
「少しでもビールがぬるいとすぐ交換させるいつものうるさい客。あんまりうるさいから凍らんばかりに冷え冷えのを出してあげました。おいしそうに飲んでましたね。ええ。発泡酒だとも知らずに」
とか書いてあったら、問題だと思いませんか?挙げ句にその店が特定されたら、それは告発されても仕方ないでしょう。なので、この件を医者全体の問題として捉えるのは的外れに感じます。
もちろん昨今続く医療ミス報道などもあってナーバスになるのは想像に難くありませんが、だからと言って冷静さを欠いて自分たちを被差別者のように思って、この常識外れな医師を叩く人を非難して敵対視するというのは、感情に身を任せた愚かな行動だと思います。医者という職業に対するネガティブイメージを払拭したければ、毅然とこの医師の行いを批判した上で、知ってもらいたい医者の実情についてははっきりと書き、そして、自身は真っ当で信頼に値する医者だということを示したほうが、読んだ人にとっては少しでもいいイメージが伝わることでしょう。かけそば氏が本気で医者を取り巻く昨今のパブリックイメージについて憂いていたならばそうするべきでしたね。残念ながらかけそば氏のやっていたことは一連の流れを追っていた人からすれば逆効果、ヲチ的視点で言えば、いい燃料投下でしかありませんでした。
実際に自分が読んでいる医者のブログで、今回の事件には触れていませんでしたが、時には困った患者のことで愚痴をこぼしつつも、社会人として、医者としてのプライドと責任感を強く感じさせる内容の日記を書いているものがあります。そのような人には尊敬を覚えます。このブログはそんなに真面目なものでなく、もうちょっとヘラヘラしたスタンスでやっていくつもりですが、、、
マンガ原作者の正体を追え~勝鹿北星氏の謎~
先日ARTIFACT-人工事実-
を見ていたところ、「MASTERキートン」
の原作者として知られる勝鹿北星氏(本名菅伸吉氏)が亡くなられたとのこと。謹んでご冥福をお祈りいたします。
「MASTERキートン」と言えば、90年代初頭の紛れもない傑作マンガで、高校生だった当時を振り返ってみると、うちの高校、少なくともうちの学年では「寄生獣」と並んで人気筆頭の作品だった記憶があります。
余談ですが、うちの学年には本当にマンガ好きが多く、各週刊少年、青年誌が揃っているのはもちろん、アフタヌーンのクラス中での回し読み(もちろん授業中)、さらには「ゴルゴ13」全巻持ってくる奴、「ドカベン」全巻、「ピグマリオ」全巻、一泊二日の学年旅行に「ガラスの仮面」全巻等々、何でもありの様相を呈していました。
で、「MASTERキートン」の話に戻りますが、やはり当時から話題になっていたのは原作者である勝鹿北星氏の正体について。しかし、とにかく謎の人物ということで一介の高校生たちに正体がつかめるはずもなく、まあ、編集者とかじゃないのか、くらいで落ち着いた記憶があるのですが、ぬるヲタが斬る
を読む限りでは、勝鹿氏の全貌は未だ謎を残す部分が多そうです。
東周斎雅楽はネーミング的にもやっぱりなー、と思っていたら、追記で東周斎は「MASTERキートン」の担当編集者でもあり勝鹿氏の正体と噂された長崎尚志氏だったようで。
「プルンギル-青の道-」
の江戸川啓視氏も、最初にぬるヲタが斬る
を読んだときには「ほんとにそうだったのかー」と思ったのですが、色々調べていたらこちらも長崎氏の可能性が高いような気がします。
というのは、こちらのメルマガ
の「もっと知りたい異文化の本」という項で内澤旬子氏
が「MASTERキートン」「MONSTER」「二十世紀少年」「イリヤッド 入矢堂見聞録」などの原作・原案協力をしている元編集者と書いているので、これが正確ならば「プルンギル」の江戸川啓視氏も長崎氏ということになりそうです。しかし、まだまだ謎だらけ…。
独立思考
の記事もかなり詳しく、参考になります。「プルンギル-青の道-」のストーリーや展開が「MONSTER」
に通じるところがあることからも、現時点では江戸川啓視≠勝鹿北星氏かなと思っていますが、こちらでは江戸川啓視=勝鹿北星の可能性が高いとの記述があり、もういっそバンチ編集部に問い合わせしてみようかなという気もしてきました。
ていうか、調べていて思ったんですが、これ、勝鹿北星氏の謎というよりも、勝鹿北星氏と長崎尚志氏の謎という感じですね。
<2005 5/21 14:30 追記>
週刊文春に掲載されたMASTERキートン絶版記事に関してエントリーを書きました 。ぜひご一読ください。
アンパンマン日記な女性医師HP
(水戸市宮町、津久井一院長)の耳鼻咽喉科担当の
女性医師が、個人ホームページの「日記」に診療内
容や手術の様子を公開し、「頭悪い」「二度と来る
な」などと患者を中傷する書き込みを繰り返してい
たことが十三日分かった。指摘を受けた医師は日記
を削除したが、病院側は医師の処分も含めて対応を
検討している。
以上、産経web茨城版より抜粋。
ちなみにこの医師のホームページ及び旧サイトはそれぞれ以下の模様。
ホームページ
旧サイト
現ホームページの内容はすでに削除済みで、現在はお詫び文が載っています。
産経webの記事には日記の詳細が載っているところを見るに、きっと病院に告発した人は同時にマスコミにもタレこんだのでしょうね。まあ、内容は確かに人格や品格を疑われてしかるべきものですが、ちょっと正直すぎるだけと言えなくもありません。問題はやはり、誰もが閲覧可能なネット上に、本人特定されてしまうような内容のものを載せたことでしょう。本人特定さえされなければ、独立した他人事の読み物としてはわりと面白かったかもしれないだけに、万が一次回があるのならばそのあたりに注意して頑張って欲しいものです。もちろん医師たるもの他にもっと頑張るべきことがあるだろうというのは言うまでもないわけですが。
さて、産経webに日記の一部が載っているわけですが、この文章を見ていて、ちょっと前に流行ったとあるコピペを思い出しました。それは、アンパンマンの日記。というわけで、
実際に改変してみた。
女性医師日記
【7:12】 患者の呼び声で起床。まだ眠い。筋肉注射を打つ。痛いだけで
効果はない。量は2倍量。次回は4倍量だ。
【7:22】 朝食のかわりに喉頭全摘術。ヨードたっぷりの甲状腺がこげる。
ああ、海産物。
「メマイ外来に行っておいで」婦長の言葉だ。
うるさいんだよ。私はメマイ専門家じゃないただの耳鼻咽喉科医
なんだよ。
「気を付けて!」うるせぇんだよこの茄子が。
【7:35】 ダルいメマイ外来出発。病棟ではうるせぇ患者がわめいている
殺すぞ。
【7:43】 「助けて~!」メマイ患者が叫んでいる。私にどうしろっていうん
だよ。
【7:50】 患者問診。散々症状を訴えた割には元気に徒歩で帰宅。
二度と来るなと言いたい。
【8:03】 今日は曇りだ。気分が盛り上がらない。早く飲み会へ行きたい。
【8:46】 婦長がニヤニヤしている。
【9:30】 メマイ外来終了。
【9:40】 手術。
【9:45】 患者の血の気が多い。ほっぺたの骨けずる。また出血が大きく
なる。
【10:11】みんなで談笑。婦長の笑い声にみんながいらつく。
【11:20】問題患者 登場。
【11:22】「イライラしてなんとかしてくれって言ってるんです!」 相変わら
ずイライラする奴だ。いいかげんにしろ。ヤク漬けで寝かすぞ。
【11:40】困った患者に襲われる。うるさい。耳に響いて力が出ない。
【11:42】「私の体です。死んだってかまわないから帰ります!」
帰れ。二度と来るな。死んでいいぞ。言ってやりたい。
【11:43】「緊急手術よ~!」さようなら、うるさい入院患者、
こんにちは私の被験体。
入院患者がまだわめいている。
【11:45】「いくぞ~!緊急手術!!」ただの気管切開だ。
「超ハイテンショ~ン…!」
酒が入ってると緊張感がたまらない。
【11:49】手術終了。楽しかった。表情だけ神妙。でも耳は赤い。
【11:53】メマイ患者が来た。「先生!診てください!」遅すぎる。帰れ。
うだつの上がらない奴だ。
【12:30】病棟。死んだ患者の目は鮮魚売り場の魚のようだった。
鼻血を訴えてきた患者の出血はすでに止まっていた。
いやがらせか?殺すか?