事件のきっかけは、「自転車」に轢かれて起きる事故死。
車道を猛スピードで走る自転車も近年増えてますし、結構身近な題材であると思います。
話のシチュエーションも比較的身近な題材が多く、
主人公の境遇が若干浮世離れしているものの、
いわゆるサスペンス作品にある派手さはありません。
しかしながら(だからこそ?)地に足の着いた幸福感、恐怖感が伝わって来て、
どっぷりと感情移入できました。

大掛かりな仕掛けは一切なく、全てが「ありそう」な話。
なのにぐいぐいと惹きこまれる、宮部みゆきの文章。
宮部みゆきにハズレ無し。
「そりゃねえだろ」と言うようなサスペンスに疲れた方にもオススメ。