運良く京王の総合高速検測車DAXを見ることができました。
DAXはDynamic Analytical eXpressの略で、2007(平成19)年に製造されました。運転台を備えていることと、当時最新鋭だった9000系のイメージを持たせて900番代の形式が与えられクヤ900形クヤ911となりました。
(クヤ911・多摩動物公園・2016年12月1日)
DAX登場時は、6000系を改造した電動貨車モワ600形に挟まれて使用されていました。運転台は構内での入換に使うためのもので、6000系の廃車発生品を流用しています。ただし京王電鉄では車両基地内でも保安機器を使用するため、保安機器を搭載しています。
DAXの検測機能は軌道検測です。軌道の上下・左右方向の狂いを測定するため光センサ式の測定装置をTS-1035形台車に装着しています。
(クヤ911・多摩動物公園・2016年12月1日)
TS-1035形台車は9000系の台車をベースとしていて、軸箱支持装置を円筒積層ゴム方式に変更したものです。
なお軌道検測の精度を高めるための上下動センサも備えているほか、フラット防止装置も取り付けられています。
車体も二重床として、レーザー基準装置や動揺センサを搭載して、軌道検測の精度を高めています。
架線検測用のパンタグラフPT-9001形を搭載しています。
(クヤ911・多摩動物公園・2016年12月1日)
この日はパンタグラフを降ろしていましたが、京王唯一の下枠交差式パンタグラフです。パンタグラフ監視カメラや、架線の摩耗を測定するラインセンサが見えます。
DAXを牽引していたデワ600形は引退し、現在はデヤ901形・902形が使用されています。
(デヤ902・多摩動物公園・2016年12月1日)
9000系をベースとして2015(平成27)年に新製されましたが、黄色い顔がアクセントになっています。
デヤ901形が新宿向きの先頭車で、デヤ902は京王八王子向きの先頭車。
(デヤ902・多摩動物公園・2016年12月1日)
どちらもパンタグラフは京王八王子寄りに搭載していて、1両単位での運転も可能です。
また先頭台車にはスノープラウを装着していて、除雪にも使用することができます。
今回はサヤ912形も連結されていました。
(サヤ912・多摩動物公園・2016年12月1日)
サヤ912形は資材運搬車で2016(平成28)年6月に新製されました。2014(平成26)年まで使用されていたチキ290形の様にレールを輸送することは想定されていないようです。
DAXの検測は2ヶ月に1回程度行われているようです。
今回は短時間でしたが、次回はしっかりと観察してみたいと思います。