
(「あさま」E224-101・東京・2010年9月18日)
E2系は200系に続くJR東日本新幹線電車の標準形式として1995(平成7)年に量産先行車を製造しました。E2系投入の目的はふたつありました。ひとつが1997(平成9)年に開業する北陸新幹線用で、連続30‰勾配を通過するためのパワーと抑速回生ブレーキが必須とされました。もうひとつの目的が東北新幹線での275km/h運転で、このためのパワーと環境性能が求められています。さらに東北新幹線では1997(平成9)年に開業する秋田新幹線車両との併結も考慮されていました。
このふたつの目的を両立させたのがE2系なのですが、量産先行車は北陸新幹線用S6編成と東北新幹線用S7編成の2編成が製造されています。
S6編成はE2系のトップナンバーとして製造されました。JR東日本の営業用新幹線電車として初めてアルミシングルスキン構造の車体を採用しています。量産化改造後は車号を7に変更し、N1編成として営業運用に入っています。

(「あさま」E224-7・東京・2011年8月2日)
一方東北新幹線用のS7編成は車号2で落成しました。こちらはミニ新幹線との自動分割併合装置を備えているのでE223形が100番代となっていて、当時はE2'系と呼ばれていました。量産化改造後は車号を1に変更してJ1編成となっています。
2002(平成14)年に東北新幹線用J編成は10両編成化とアクティブサスペンション装着工事を実施しましたが、J1編成は強度不足だったようで、8両編成のまま北陸新幹線に転用。N21編成となりました。

(「あさま」E224-101・長野・2013年5月3日)
つまりE2系量産先行車は車号が変わったという点で特異な経緯があります。
当時は先頭部形状の研究黎明期だったこともあり、量産先行車の先端はかなりとがっています、その後の試験走行で、先端部をすこし膨らませた方が騒音性能的に優れていることが判明し、量産車では先端部の形状が大きく異なります。

右が量産先行車、左が量産車です。そのほか内装パネルの形状や便所などに量産先行車と量産車の違いが見られます。
そんなE2系量産先行車で、一番特異なのがN21編成が持つE926形East-iを連結した検測機能です。East-iは検査入場しているときに、E926-13を挿入したN21編成が検測をしていました。

(E223-1・高崎・2012年8月2日)
East-iの軌道検測車を挟んで走っているわけですが、専らN21編成を使用していたので、N21編成には電気・通信検測が搭載されていたのかもしれませんね。
このN21編成もN1編成も廃車となってE2系量産先行車は消えてしまいました。
今後East-iの代走はどうするのかなと思っていたら、どうやらE7系に検測機能を搭載した編成が存在するらしいです。そうなるとEast-iの後継車が気になっちゃいますね。