
(「アクティー」クハ211-2004・早川~根府川・2005年2月17日)
当時の近郊形電車標準となる両開き3扉構造を継承しつつ、車体幅は2950mmに拡大されました。また115系置き換えに対応し抑速ブレーキを備えたため、主制御器はCS57Aとなっています。主電動機は205系同様713系で実用化されたMT61形、駆動方式は中空軸平行カルダン駆動です。なお将来横須賀線での運用を考慮して1M仕様のCS59形主制御器とMT64形主電動機も開発されていましたが、国鉄時代に登場した211系は2M仕様だけで、1M仕様は213系で実用化。211系の1M仕様はJR東海の6000番代で実現しました。
211系は平坦線区暖地向けの113系と、勾配線区寒地向けの115系両方の置き換えを考慮して開発されていますが、実際には区分番代で仕様を分けています。また増大する通勤客対策でオールロングシートとした編成も登場し、番号区分されています。
暖地向けセミクロスシート車は0番代で、田町電車区に新製配置された東海道線用のグリーン車2両入り10両基本編成6本が製造されました。

(クハ210-5・国府津車両センター・2006年9月26日)
また名古屋地区向けに4両編成2本も製造されていますが、JR発足後は新製されていません。
東海道線用付属5両編成はオールロングシートの2000番代となりました。

(クハ210-2001・早川~根府川・2005年2月17日)
東海道線用としては初めてのロングシート車となりましたが、JR東日本発足後の増備は基本編成も含めて2000番代となっています。
JR東海もオールロングシート車を増備しましたが、冷房装置など各部の仕様を変更した5000番代となりました。
東北・高崎線用寒地向け仕様車は半自動ドア、レールヒーター、スノープラウ、耐雪ブレーキを備えたのが大きな相違点。すべて5両編成で製造され、5、10、15両編成を組んで使用されました。セミクロスシートの1000番代は国鉄時代に11本が製造されました。

(クモハ211-1001・赤羽~浦和・2006年10月29日)
0番代同様JR時代には増備されなかったので少数派となっています。
ロングシート仕様の3000番代は国鉄時代に22本、JR東日本が40本を増備しました。

(クモハ211-3016・東大宮~蓮田・2008年3月9日)
なお1000、3000番代は将来の単編成化を考慮してクモハ211+モハ210+サハ211+サハ211+クハ210という編成となっていましたが、これが現在活かされる結果となりましたね。
そんな211系ですが、この前面スタイルは国鉄、JR各社の近郊形電車に採用されました。
国鉄213系

(クモハ213-4・瀬戸~上道・2007年8月19日)
国鉄415系1500番代

(クハ411-1502・勝田車両センター・2009年6月2日)
JR東日本719系

(クモハ719-10・会津若松。2007年8月26日)
JR四国6000系

(6002・多度津・2008年9月5日)
若干仕様は異なりますが、国鉄形最後~JR初期の標準顔としてJR北海道以外で採用。
そんなJR各社に影響を与えた211系も、大きな変化を迎えました。