
(クモハ107-1・宇都宮・2012年12月29日)
2両編成を1単位とした1M方式の通勤形電車で、1988年から8編成16両が製造されました。車体は105系に準じた普通鋼製両開き3扉車体を大井、大船、大宮、長野、新津の各工場で新製しました。
電気機器や台車などは165系の廃車発生品を流用してコストダウンを図っています。
主制御器はノッチ戻し、抑速発電ブレーキ付のCS54B。

(クモハ107-7・宇都宮・2012年12月29日)
165系では2両分8個の主電動機を制御していましたが、1M方式の107系では主電動機を4個永久直列としているため、制御も直列段のみとなります。
動力台車DT69、DT69Bを装着しています。

(クモハ107-7・宇都宮・2012年12月29日)
主電動機もMT54を搭載していますが、クモハ107は車重が増加したため軸バネを新設計のものに変更。また歯車比も4.21から5.60に変更しています。
クモハ107には空転防止のための砂蒔き装置が備えられ、前面には砂箱も設置されました。

(クモハ107-7・宇都宮・2012年12月29日)

(クモハ107-8・宇都宮・2012年12月29日)
ちなみに連結面側は床下に砂箱を設置しています。
クモハ107-4~8は新製時より集電も可能な霜取り用パンタグラフを搭載。

(クモハ107-7・宇都宮・2012年12月29日)
クモハ107-1~3も霜取り用パンタグラフを増設しましたが、こちらは集電不可能。
クモハ107にはAU79A集中クーラーを搭載しています。

(クモハ107-7・宇都宮・2012年12月29日)
車内の天井もラインフロー式です。
クハ106のクーラーは165系から流用したAU13Eを6基搭載

(クハ106-7・宇都宮・2012年12月29日)
クハ106の天井は個別吹き出し式となっています。
クハ106の台車もクハ165の廃車発生品であるTR69、TR69B。

(クハ106-7・宇都宮・2012年12月29日)
基礎ブレーキ装置も165系のSED発電ブレーキ併用電磁直通空気ブレーキを流用していますが、応荷重装置を追加してSELD発電ブレーキ併用電磁直通空気ブレーキとしています。
なお107系は各編成に日光をモチーフとしたマークがあります。
N1編成
ニッコウキスゲ

N2編成
神橋
N3編成
日光杉並木
N4編成
男体山と中禅寺湖
N5編成
華厳滝
N6編成
モミジと湯川

N7編成
眠り猫

ちなみに前面には共通マークとして日光駅舎が配されています。
N8編成
三猿

車体はまだ製造20数年ですが、機器類の老朽化は避けられないということなのでしょうか?

(クハ106-6・宇都宮・2012年12月29日)
引退は少々もったいないような気もしますが。
そして107系と共に宇都宮から姿を消す211系。

(クハ106-8・宇都宮・2012年12月29日)
この両車が並ぶ姿を見ることでできるのもあと2ヶ月ちょっとです。