DMVとはDual Mode Vehicleの略で、線路と道路の両方を走ることができるバス。2004(平成16)年に日産シビリアンを改造して第1次試作車「サラマンダー901」を製作しました

(DMV901号・苗穂工場・2012年9月8日)
DMVの走行は道路、軌道ともバスのリヤタイヤ駆動ですが、軌道モードでは車体の前後に装備した車輪がガイドの役割を果たします。「サラマンダー901」は北海道鉄道技術館脇で保存されています。
2005(平成17)年には連結可能な第2次試作車、911号、912号を製作。

(DMV911号/912号・苗穂工場・2012年9月8日)
ベースはやはりシビリアン。併結は背中合わせも同一方向も可能です。
2008(平成20)年にはトヨタが開発に協力し、コースターをベースとした第3次試作車920号が製造されました。

(DMV920号・苗穂工場・2012年9月8日)
その後920号の問題点を改善した921号を製造。

(DMV921号・苗穂工場・2012年9月8日)
DMVは北海道での試験営業の他、岳南鉄道や明智鉄道での実証実験などが行なわれましたが、今のところ実用化には至っていません。
ちなみにDMVに試乗した感想ですが、基本はマイクロバスそのまま。それゆえに軌道モードの違和感が楽しかったです。
DMVの試乗コースの傍らにスハフ42が留置されていました。

(スハフ422071・苗穂工場・2012年9月8日)
スハフ42はスハ43系の緩急車。北海道にはスハ43系の酷寒地仕様としてスハ45系(スハ45形、スハフ44形)が存在しましたが、スハ43系にも二重窓化された酷寒地仕様車がありました。
しかしこのスハフ42形2000番代は本州向け車で、しかも電気暖房対応車。これはJR東日本から譲渡された車両です。
スハ43系のTR47形台車は、国鉄形の台車の中でも乗り心地の良さで定評がありました。

(苗穂工場・2012年9月8日)
ところでスハフ422071の床下には発電機が増設されていたのですが、これは何用なのでしょう?

(苗穂工場・2012年9月8日)
台車検修場はボルスタレス台車ばかり。

(苗穂工場・2012年9月8日)
しかしJR北海道の台車は踏面両抱きブレーキが基本なので他のボルスタレス台車とはちょっと印象が変わりますね。

(苗穂工場・2012年9月8日)
JR北海道では鋳鉄ブレーキシューで130km/hから停止する技術を確立しています。これは他のJRと違って冬季の踏面の平面性を維持するためには踏面ブレーキの方が有利だからです。
続いて検修中の「スーパー宗谷」用キハ261系を見ました。

(キハ261-102・苗穂工場・2012年9月8日)
2000(平成12)年に竣工した旭川~名寄間の高速化工事に合わせて登場したのがキハ261系です。
エンジンは新潟原動機製N-DMF13HZH形直列6気筒13リッター直噴ディーゼルインタークーラーターボ。

(苗穂工場・2012年9月8日)
460psを発揮するエンジンをキハ260形100番代に1基。その他の車両に2基搭載し、変速1段、直結4段、パワーオン制御付きのN-DW16A液体変速機と組み合わせて、電車並みの加速力を発揮します。
また、カーブ区間の速度向上のために、カーブ外側の空気バネを上昇させる車体傾斜システムを搭載しました。

(苗穂工場・2012年9月8日)
先頭車のジャイロセンサーによって最大2°車体を傾斜させて、半径600m以上のカーブで本則+25km/h、半径400m以上で本則+20km/h、半径220m以上で本則+15km/hで通過することが可能となっています。
6月から営業運転が始まった、次世代通勤形電車733系もありました。

(クハ733-109・苗穂工場・2012年9月8日)
731系に似ていますがをベースにバリアフリー化を推進させてステップを廃止しています。
この733系の背後にあるのが北海道鉄道技術館です。
中には色々貴重な資料があります。
そしてかつての北海道の主役だったキハ82の前頭部も展示されています。

(キハ82 86・苗穂工場・2012年9月8日)
道内にはキハ80系の保存車が11両ありますが、カットボディながら屋内保管のキハ82 86が一番状態がいいというのも複雑な気になります。
リゾートトレインのパイオニア、「アルファコンチネンタルエクスプレス」のカットボディもあります。

(キハ59 1・苗穂工場・2012年9月8日)
キハ56をベースにハイデッキ構造の展望車体を設置したのですが、現存しているのは増設側だけ。ちなみにキハ59 2は千歳市内の牧場で保管されています。
北海道鉄道技術館にはその他にも色々面白い展示物があります。毎月第2・4土曜日に開館していますので、機会があれば是非見に行ってみて下さい。