
スケジュールとしては「成田エクスプレス」で成田空港まで行って、京成「スカイライナー」で日暮里まで帰ってくるという感じ。つまり成田空港アクセスのライバル一気乗りです。
成田空港は1978(昭和53)年5月20日に新東京国際空港として開港しました。翌5月21日に京成電鉄京成成田~成田空港(現・東成田)が開業。AE形による「スカイライナー」の運転が開始され、京成上野~成田空港を60分で結びました。

(AE61・宗吾車両基地・2011年11月1日)
AE61は現在も相互車両基地で保存されていますが、台車や床下機器は3400形に流用されたため、違う台車を履いています。
一方国鉄はL特急「あやめ」で東京~成田を利用して路線バスという手段もあったわけですが、実際にそんなルートを利用していた人がいたのかは不明。

(特急「あやめ」・クハ183-12・佐倉~酒々井・2004年8月22日)
一方で国鉄は東京~成田空港を結ぶ成田新幹線を1974(昭和49)年に着工。成田空港駅が空港直下に建設されることから、京成の成田空港駅は空港ターミナルから1km離れた場所への建設を余儀なくされ、「スカイライナー」はバスに乗り換えるという不便さからエアポートリムジンバスに対して苦戦を強いられることになりました。
そして成田新幹線も反対運動が激しく用地買収が進まないまま、1983(昭和58)年に土屋~成田空港の路盤が完成したところで工事凍結。1987(昭和62)年4月1日を最後に国鉄が分割民営化されたため、免許も失効しました。
そんな巨大な産業遺構となりつつあった成田新幹線の路盤でしたが、1988(昭和63)年に第3セクター成田空港高速鉄道が発足。京成本線駒の井信号所~成田空港間が1991(平成3)年3月19日に開業しました。
開業を前に京成はAE形を1990(平成2)年6月19日から運行開始。

(「スカイライナー」・AE148・牛田~堀切・2009年1月27日)
AE100形は京成の新製車としては最初のVVVFインバータ制御車で、設計最高速度は130km/h。そして都営地下鉄浅草線の乗り入れを考慮した貫通構造を採用。成田空港~羽田空港の直結も不可能ではなかったのですが、実現はしていません。最高速度も110km/hに留まっています。
ともあれ、成田空港ターミナル直結となってことで「スカイライナー」の利用客の増加が見込まれたのですが、ここにライバルが登場します。それがJR東日本成田線空港支線で、成田高速鉄道によって土屋~成田空港間が京成と同時に開業しました。
そしてJR東日本が投入したアクセス特急が253系「成田エクスプレス」です。

(「成田エクスプレス」・クロハ253-2・佐倉~酒々井・2004年8月22日)
界磁添加励磁制御車の253系は最高速度130km/hで運転。そして大船・横浜方面の列車と新宿・池袋方面の列車が東京駅で分割併合するという運行体制を採って利用客の便宜を図ったのが大きなポイントだと言えます。一方で東京を経由するため新宿方面からの列車は山手貨物線~横須賀線を大回りし、所要時間面では不利になっていますが、利用客が増加して増結されたりしました。
そして2010(平成22)年7月17日。成田スカイアクセスルートが開業。京成~北総~成田スカイアクセス~成田空港高速鉄道をリレーし、スカイアクセス線を最高速度160km/hで運転する新生「スカイライナー」が登場。それに合わせて新AE形が投入されました。それに先立つ2009(平成21)年10月1日、JR東日本は2代目「成田エクスプレス」としてE259系を投入。


運行エリアの広さを武器としたJR東日本「成田エクスプレス」と、日暮里~成田空港最短36分というスピードを優先させた京成電鉄「スカイライナー」。同じエアポートアクセス特急ですが、その性格はかなり違うみたいです。
座席はどちらも脚台をセンターに配置したタイプ。このタイプは座面下にも荷物を置きやすいのが特徴です。E259系はヘッドレストが可動式で、シートピッチは1,020mm。一方新AE形は小田急50000形VSEの座席と同じく、オフィスチェアを製造している岡村製作所が製造。シートピッチは1,050mmとなっています。新AE形のデザインは山本寛斎が監修しました。


なお新AE形のロールカーテンも小田急50000形と同じタイプを採用しています。
ビジネスユースでは必須となるコンセントですが、E259系では肘掛け内蔵型。新AE形は脚台に設置されました。


使い勝手を考えると肘掛け内蔵型の方が楽ですね。またE259系は無線LANサービスも実施しています。
情報表示器はE259系では車内2箇所に設置されましたが、新AE形はオーソドックスな車端部設置。


E259系は荷棚高さを低めに設定。新AE形はドーム天井を採用しています。
エアポートアクセス特急らしく荷物置き場が設置されていますが、セキュリティの観点からどちらも客室内に設置。


E259系は鍵まで設置するという念の入れようです。
E259系は東京駅で分割併合するために貫通扉と自動幌を設置。短時間で分割併合を行ないます。




分割併合はいつ見ても萌えますね(笑
新AE形は160km/h運転を行なうため車輪ディスクブレーキを採用。また先頭車にフルアクティブサスペンションが搭載され、160km/h運転を実施するスカイアクセス線区間では左右動揺もほとんどない快適な乗り心地を堪能できます。車体間ダンパは京成線内の急カーブに対応できないため装備されていないのにこれは立派。

しかし北総線に入った途端に振動が大きくなるのが残念。結局乗り心地がいいのはスカイアクセス区間だけなんですよねぇ。
E259系も先頭車にフルアクティブサスペンションを装備。そして車体間ダンパも装備されていて、130km/h対応軌道強化区間での乗り心地は良好です。

列車交換や東京以西の運転区間の関係で時間をロスしているがつらいところかも。
でもワゴンサービスが来るのが個人的には一番嬉しいかも。

結局酒飲み的な結論に達しました(笑
まぁ乗車する前に売店で買えばいいだけなんですけどね。