【国鉄形電車の思い出】Part24 113系(その3)カフェオレ、房総、そして四国の魔改造車! | はやこま すていしょん!

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更新頻度は遅めですが、日々の出来事や趣味的なことを書いていこうかなと思っています。若干鉄分は濃い目の予定(笑

2007(平成19)年ごろから関西方面への出張が増え、その関係でJR西日本の113系を見る機会も増えました。この時撮影したのは京都総合運転所所属の113系5700番代。113系700番代を高速化改造したもので、ブレーキの増圧装置と応荷重装置の取り付け、制輪子の交換で110km/h運転に対応させています。
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(クハ111-5752・京都・2007年2月11日)
種車となる113系700番代は、湖西線開業に備えて1974(昭和49)~1976(昭和51)年に製造された寒冷地仕様車です。外観上の特徴は前面のタイフォンにシャッターがついたことと、半自動扉を採用したので取っ手が取り付けられたことです。そのため塗り分け以外は115系300番代に準じた車体になっています。
少数派だったためかCP付は+300ではなく、+50のクハ111-750となっていました。
このL10編成は前面窓と行き先方向幕が金属押さえに変更されている以外は原形を保っていましたが、2008(平成20)年に下関に転属して高速化を解除され、現番号に復帰。その後広島F06編成となりましたが、現在は廃車されたようです。
なお湘南色は関西の鉄道マニアの間では「カボチャ」と呼ばれています。

JR嵯峨野線と呼ばれている山陰本線にも京都の113系が入線していました。
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(クハ111-7610・京都・2007年2月11日)
113系2000番代を高速化して+5000となり、さらにブレーキのテコ比を変更して+500としたのが113系7500番代なのですが、写真のクハ111-7610は単純に7500となっておらず、クハ111-2040→クハ111-7140→クハ111-7610となっています。奇数側の車両もクハ111-2140→クハ111-7040→クハ111-7510となりました。
なぜこんな複雑なことになったのか理由はよくわかりませんが、おそらく113系2000番代のクハだけがCP付が現番代でCPなしが+100で他の113系と逆だったのを、改めたのかなと思いましたが、統一されているわけではないので違う理由かもしれません。
なおこの編成はまた半自動ドア開閉用スイッチや電気連結器が増設されていました。
このC12編成の中間車モハ112-7061+113-7061は「体質改善40N」という大がかりな工事が実施され、窓が変更され、張り上げ屋根となるなど外観も内装も劇的にかわりましたが、先頭車は「延命30N」車で編成美は崩れています。30N車の外観は原形に近い状態ですが、これは改造コストを抑制したからのようです。これら体質改善車は通称カフェオレ色に塗装されていました。
C12編成は2009(平成21)年に下関に転属して高速化を解除。現在は広島F10編成となりました。

こちらは延命30N車で揃えられた京都L06編成。種車は113系700番代のアコモデーション改善車となる113系2700番代。7700番代は高速化改造車です。
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(クハ111-7754・京都・2007年2月11日)
113系2700番代は6両編成2本しか製造されなかったので、1983(昭和58)~1984(昭和59)年に4両編成化された際にクハ111-2009~2012、2109~2112をクハ111-2753~2756、2703~2706に改造。クハ111-7554もその1両で、追加されたタイフォンシャッターが簡易構造なのが外観上のポイントとなります。
同様の耐寒改造はJR西日本時代にも実施されたようです。


2007(平成19)年、内房線でD51牽引の「SL南房総号」が運転され、自分も幕張車両センター所属の113系マリ107編成に乗車して岩井に赴きました。113系にまともに乗車したのは18年振りぐらいかもしれないです(汗
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(クハ111-2157・岩井・2007年2月11日)
1981(昭和56)年に新製されたクハ111-2157は、同時期に製造された201系に準じたランボード構造を採用した最終グループ。田町に新製配置以来、国府津、田町、国府津と移動したものの東海道線で24年間活躍し、2005(平成17)年10月5日に幕張に転属。横須賀色に塗り替えられて最後の活躍をし、2010(平成22)年2月10日に廃車されています。

マリ107編成の後ろにはマリ211編成が連結されていました。
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(クハ111-1374・岩井・2007年2月11日)
総武快速用として1972(昭和47)年5月4日に津田沼電車区に新製配置。7月4日に幕張電車区が開設されると同時に転属して以来幕張に所属していました。その間に活躍の場所は横須賀線まで広がりましたが、最後は房総各線で余生を過ごし、2011(平成23)年10月5日に廃車となっています。
ところで岩井は大学の体育授業の合宿で泊まったことがありましたが、駅の雰囲気はまったく変わっていませんでしたね。

「SL南房総号」を待つ間、岩井まで乗車した113系も館山から折り返して通過するなど、113系を何度か撮影。
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(クハ111-2156・岩井~富浦・2007年2月11日)
クハ111-2156は2010(平成22)年9月10日に廃車となり、鋸山をバックに走る姿も、今では見ることができなくなってしまいました。

「SL南房総号」の撮影後、館山に移動して電留線付近で「DL南房総号」を待ちました。その間にも113系S225編成が通過。
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(クハ111-1455・那古船形~館山・2007年2月11日)
S225編成は1999(平成11)年より実施されたリニューアル車で、座席を交換したほか、空気圧縮機(CP)をレシプロ式からスクロール式に交換し、電動発電機(MG)をサイリスタインバータ(SIV)に交換、台車の軸受を密封コロ軸受に変更するなどの改造がなされ、4両編成はS221-225、6両編成はS61-71と編成番号を区別していました。前々回のブログには6両編成のS64編成とS71編成が載っています
クハ111-1455はE217系に置き換えられた後、大船電車区から一時的に小山電車区に転属し、E231系投入で廃車する予定でしたが、クハ111-1300のラストナンバーで程度が良かったため、リニューアル対象のクハ111が不足していた幕張に転属して延命しました。同様にクハ111-1138も小山から転属しリニューアルされましたが、共に2009(平成21)年9月4日に廃車となりました。

自分が乗車したマリ107編成が4両編成になって館山に戻ってきました。最後尾は2000番代ではなく、0番代のクハ111-543。
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(クハ111-543・那古船形~館山・2007年2月11日)
2005(平成17)年に東海道線から幕張に転属した車両で2010(平成22)年2月10日に廃車となるまで房総線で活躍していました。

8月の出張の折に岡山電車区を道ばたからウォッチングしました。岡山電車区は色々な電車がいるので、岡山に行った時は岡山電車区と岡山機関区をウォッチングするのが定番になりました。岡山にも少ないながら113系が存在しますが、このB2編成は京都からの借入車で「京キト」の標記となっています。
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(クハ111-5708・岡山電車区・2007年8月19日)
半自動ドアスイッチが設置されたため、戸袋窓が小型化されています。この編成は現在も借り入れされているようですが、高速化を解除して700番代になっている模様。

2008(平成20)年も「SL南房総号」が運転され、この時は安房鴨川に出向きました。安房鴨川ではマリ216編成とD51が並びました。
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(クハ111-1034・安房鴨川・2008年1月27日)
このクハ111-1034が廃車となるのはこの1年後の2010(平成22)年2月23日のことです。

「SL南房総号」を待っている間に通過する113系マリ105編成。この区間は内房線なので、こういう撮り方をすると本来は偶数向きのクハ111が写るはずなのですが、この列車は外房線からの直通列車だったので奇数向きクハ111が写っています。現在は安房鴨川で列車は完全に分断されました。
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(クハ111-210・安房鴨川~太海・2008年1月27日)
この車両も東海道線を撤退した時に幕張に転属したグループですが、2009(平成21)年12月4日に廃車されました。
「SL南房総号」を撮影後、113系マリ108編成に乗車して館山へ向かい帰京しました。

秋に岡山、四国へ出張の折に岡山電車区詣でをしましたが、この時も京都から」借り入れているB5編成がいました。
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(クハ111-5754・岡山電車区・2008年9月3日)
この編成も高速化を解除されて700番代に復帰したようですが、現在は運用を離脱して岡山電車区に留置されているようです。

同じく京都から借り入れていた編成。
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(クハ111-5717・岡山電車区・2008年9月3日)
この編成は京都に戻り、L05編成として使用されているようです。

香川県に渡り多度津駅に着いたところで、とってもサイケデリックな113系を見かけました。
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(クハ113-3・多度津・2008年9月5日)
JR四国で活躍していた111系を置き換えるために、1999(平成11)年にJR東日本から国府津所属の113系0番代4両編成3本と部品取り用3両を譲渡され、JR西日本の体質改善40Nに準じた改造と独自の前面強化改造を施しました。またモハ112はパンタグラフと乗務員室を増設。その際に先頭車はクハ112、113に中間電動車の車号も1~3に変更しています。クハ113-3は元クハ111-222です。
前面強化と前照灯の形状変更及び増設、種別表示幕の移設が行なわれて魔改造みたいな姿となりましたが、最後まで活躍を続ける113系となるのか期になるところです。
(続く)

【過去の113系記事】
113系その1
113系その2