怜子に言われたからではないが、残業を3時間から2時間に切り上げて帰宅した。ガチッて鍵がかかっていた、地方都市と言えど関東圏だ鍵無しはやはり無用心だと思ったから自分の鍵で入る事にした。ガチャ、ガツンと内鍵のチェーンが繋がっているぞ。改めてチャイムを鳴らした。まだ戸を開けていたが、ハイの返事はおろかキッチン周りの音も無かった。そうだ電無しだったからに違いない、直ぐ様電話を開きまずはラインに「帰りました。部屋の前に居ます」と入れた後、電話をかけた。ところが着信音も無い。途方にくれた頃ようやく内側に黒い影が現れた。『誰ですか?』と怜子の声だった。「僕です。開けてください。」と僕が言うと『早く帰ってって言ったけど8時回っているのは何故?』と怜子の声がした。僕は「普段3時間だから1時間でも早くと思って。」と答えたが、『それは早いの?』と怜子が言った。自分の部屋の前で言い訳番長は夜でも人目が気になったから「とりあえず中で話そう。」と提案した。『今回だけだからね。』と怜子は僕を部屋に入れてくれた。僕は中に入るとこれまで部屋の片隅にあったテーブルが部屋の中心にありシーリングライトに冷たくなった食事が照らされていた。