あれからかれこれ一年が過ぎた。一年と言うのはキヨたんロスが一年続いていると言う事だ。キヨたんロス後、たくさんの女性がやってきたが、特異なのは怜子だろうか。初日に婚姻届を持ってやって来た。僕の心配をする旧知の友人の中ではかなり異質な存在であった。『今度遊びに行きたいね。』はあっても、『新婚旅行は国内でいいからゆったりとしたいわね。』と言われたのは怜子だけだった。まあ一年も経ったのだから周りの目も緩むかと思い半ば先行き不透明な怜子との関係に踏み切ったのは、やはりキヨたんロスの影響が強かったのかもしれない。